アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7-1 (雪夜side)
-
コインランドリーから、俺は車を走らせてある場所へと向かった。
「ユキちゃんの車乗るの久しぶりかも」
ある場所。
それは光の家。
家で1人寝ている星が心配だったが、思い立ったが吉日だ。
俺はランとの電話の後。
光と連絡を取った。
雨の中。
光の家の裏の小さな公園に車を駐めて。
光に、俺の想いを伝える為に。
煙草を咥えて話し出す。
一通り、出会い方から。
星が今、俺の家にいる事まで。
「なんで……せいなの?」
掠れた声で、光は言った。
「世の中、人間なんてそこら中にいる。どうしてせいなの?せいは男だよ?この先どうしてくの?結婚は?子供は?俺はせいをすごく大事に想ってる。小さい頃からずっとみてきた………ユキは俺の想いに勝てる?たった3日くらい一緒に居ただけのユキに。せいは俺のだよ………?」
「お前の好きと、俺の好きは違うだろ」
「………ユキ」
「お前がすげぇー大切にしてる事は知ってる。星は俺に光が好きだって、そう言ってたしな。でも俺は初めて、自分を犠牲にしてまで欲しいと想える人に出逢えた。結婚とか将来の事とか、正直よくわかんねぇーよ。ただ、俺は星に笑っていてほしいんだ。出来る事ならそれは、俺の隣であってほしい」
「それはユキの気持ちでしょ?星がそれを望んでるわけじゃない」
「んなもん、わかんねぇーだろ」
「……賭け」
光はふーっと息を吐く。
「賭けてみようか」
「どういう事だよ………」
「せいが俺とユキ………どっちを選ぶのか、賭けるんだよ。明日、俺がせいを抱くから。お兄さんじゃない俺を、せいが受け入れたら俺の勝ち。嫌がれば俺の負け。簡単な事でしょ?」
「アイツはゲームの景品じゃねぇーぞ」
「そんな事分かってるよ。でも1番分かりやすいでしょ?俺は今までせいに自分の事、隠してきた。けど、これ以上隠して生きるのは面倒なんだ。せいも高校生になったし、そろそろ頃合いだと思って。俺の全てを知った上で、それでもせいが俺を選んだら。その時はユキ、お前の負けだよ。星に関わる事は許さない」
「星が俺を選んだら?お前どーすんの?」
「俺はせいに、俺の一面を知ってもらうだけだから。それにせいは兄弟だし、ユキみたいに失う物はないよ。ただ、ユキに簡単にせいを奪われるのは嫌なんだ……好きの種類は違ってもね。せいがユキを選んだら、その時はせいの気持ちを尊重して………ユキの事、許してあげるよ。どう?ユキ、俺との賭けに勝つ自信は?」
俺は煙草を咥えて。
「自信しかねぇーよ」
そう応えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
84 / 917