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「青月くん、顔真っ赤だけど大丈夫?」
前の席の西野君に話し掛けられて、オレはビックリしてしまう。
「熱でもあるんじゃないかな?保健室、行って来た方が良いよ?先生にはボクから伝えておくから」
「え?あ…………行ってきます」
あと10分程で5限目始まるけど。
とりあえず、火照った顔をどうにかしたくて。
オレはそそくさと教室から逃げ出した。
はぁ……。
ここ学校なのに。
オレ何考えてんだろう。
保健室って1階の南側だったっけ?
熱だけ計って、教室に戻ろう。
まだイマイチ理解出来ていない学校の中を、昼休みで混雑している廊下を潜り抜けて階段を下りていく。
1階の踊り場まで辿り着くと、知っている顔をみつけた。
けど。
なんか、声掛けづらい。
弘樹の周りには数人の女の子達が、弘樹を囲うように集まって代わる代わる弘樹に話し掛けている。
うわぁー、弘樹モテてる。
円の中心にいる弘樹は困った顔をしながら。
女の子達の相手をしていた。
面倒な事になりたくないと思い、弘樹に見つからないようにそっと横を通り過ぎようとしたんだけど…………。
「あ、セイっ!!」
うげぇー。
オレはあっさり弘樹に見つかった。
弘樹が大きな声で呼びかけたせいで、周りの女の子達からは誰?あの子小さいとか、なんか暗そうとか、ヒソヒソと声が聞こえてくる。
あぁ、こうなるのが嫌だから見つからないようにしたのに。
悪気があるわけじゃないんだろうけど、言われる身にもなってほしいよ。
オレは弘樹みたいに、知らない人とでも仲良く話したり出来ないんだから。
弘樹ってば、オレが人見知りなの知ってるのに。
そんなオレの気持ちは御構い無しに、弘樹は周りの女の子達にひと言断りをいれると、オレの方へと向かってきた。
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