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「なんでこんなとこにいんの?」
「顔が赤いから保健室行って来いって、西野君に言われて。保健室行く途中で弘樹に見つかった」
「なら、俺が保健室連れてってやるよ」
「あと少しで授業始まるし、保健室くらい1人で行けるよ?」
「俺のクラス、今日先生いなくて5限自習だから大丈夫」
弘樹はニィと笑って俺の手を取ると、ズンズンと保健室の方へと向かっていく。
弘樹に手を掴まれて引っ張られていくオレを、周りの生徒は不思議そうに眺めてきた。
目立つ事は極力避けて通りたいのに。
「ちょっと、あの……弘樹っ」
「ほら、着いた」
やっぱり保健室は、オレが思っていた場所に存在していた。
「シーツレーシマース」
弘樹は大きな声で扉を開けて中を見渡す。
「セイ、誰もいないみたい」
「生徒も先生も?」
「うん、そのうち戻ってくんじゃない?俺ヒマだからセイと一緒に待ってよーっと」
「え?オレ、熱計って異常なければ教室に戻るよ?」
「ウソー。つまんないから話でもしよーぜ」
「とりあえず熱だけ計らせて」
弘樹はベッドに横になると、ネクタイを緩めてゴロゴロしている。
オレは体温を計って、異常がない事を確認した。
そりゃそうだよね。
ただ白石さんの事を考えてて、赤くなってただけだもん。
「熱、あった?」
「なかったから5限目でる」
「えー、俺と遊んでってよ」
弘樹はベッドからヒョイと起き上がって、扉の前に立つ。
「あのさ。オレ今、弘樹に構ってられないんだけど………」
弘樹はニィと笑って、保健室を出ようとしたオレの手を取った。
「俺がセイに構いたいんだ…………本当はずっと言いたかったんだけど。首筋の赤い痕、それキスマークだよな?」
?!!!!!!!!!!!!
弘樹の言葉の衝撃と共に、授業の予鈴が鳴り響いた。
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