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「なぁ、セイ。俺も付けといていい?」
ん?何言ってんの、弘樹君。
弘樹はゆっくりオレに近づいてくる。
「俺もセイに俺のだって印、付けときたい」
はぁ!!!!!
「いーやーだーぁっ!!」
オレは椅子から飛び降りて、保健室の中を弘樹から逃げ回る。
「イケメンの兄さんは良くて、俺は駄目なのかよっ!!!!」
「えー?だってあの時は突然だったしっ、オレはキスマーク付けられてた事知らないもんっ」
オレの言葉に弘樹はピタリと動きを止めて、大きな溜め息を吐く。
「まぁ、いいや。セイに聞いても良くわかんないし………あの兄さんに直接聞きに行く事にする」
「はぁー?」
白石さんは、今日もバイトでショップにいるってラインきてたけど………。
行くの?
弘樹が?
「ショップの店員なら、もしかしたら今日もいるかもしれないし。俺、今日ショップ寄って帰る事にする」
「え?あのー、弘樹クン?」
「いるかどうか、分かんないけど。とりあえず行ってくる。悪いけど今日は先に帰っといて、セイ」
「へっ?バイト中に行くのは迷惑だよっ? 」
「俺は客だからいいんだよっ」
ダメだ………。
弘樹は言い出したら人の話聞かないもん。
どうしよう。
白石さんに迷惑かけたくないのに。
とりあえず、白石さんには弘樹が行くかもしれないってライン入れておこう。
バイトは15時からだっけ?
今ならまだ間に合うよね。
オレはズボンのポケットからスマホを取り出し、白石さんにラインを入れた。今日もしかしたら、弘樹が白石さんのバイト先までお邪魔するかもしれませんって。迷惑かけてごめんなさい、白石さん。
ラインを送っていたオレに。
弘樹は静かに宣言する。
「俺、頑張るから」
「へ?頑張るって何を?」
「セイに、俺だけ見てもらえるように」
そう言った、弘樹の瞳は本気だった。
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