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「2人とも実家継いで、外車専門で取り扱ってるクルマ屋。継ぐっていっても、どちらかというと親父の奴隷の様に働かされてるけどな。親父は海外に買い付け行ったまんま、羽伸ばして遊んでっから」
「あぁ、だからお前いい車乗ってんだ。大学生の分際で、BMWなんてすげぇムカついてたけど、納得」
「あれでも兄貴のお古だよ。まぁ、俺の場合は強制的に兄貴にとりあえずこれ乗っといてくれって頼まれたからなんだけど。俺よりすげぇーのは、高校の時のダチの優ってヤツ。アイツはベンツだぞ。土地持ちの寺の息子で金持ってるから、アイツん家の親父のベンツを息子が乗り回してんだよ。見た目も俺より落ち着いてるし、あれ中身おっさんだぜ」
「………なんか住んでる世界が違うよな。普通の奴はまず中3で知らない女とヤらないし、大学生で外車なんて乗らないし。車持ってる奴の方が少ないぞ?金って、あるところにはあるんだな」
「あるつっても親の金だろ?本当にあるなら高校からバイトしてねぇーよ。うちは車だけ」
「はぁ?車あるだけで充分すげぇーよ」
どうでもいい話をしていると、テーブルに置いてあったスマホが鳴った。
………こんな時間に星からライン?
アイツ今、授業中じゃねぇーの?
今日、もしかしたら弘樹が白石さんのバイト先までお邪魔するかもしれません。迷惑かけてごめんなさい。
なんだそりゃ。
弘樹って………星のダチだな。
別に星が謝る事じゃねぇーのに。
でも真面目な星が、授業中にわざわざ連絡してくるなんて………………。
イヤな予感しかしねぇー。
ぐっと眉間にシワが寄る。
「白石、オーラが怖い」
「あぁ?」
「さっきのにやけ顏はどこいったんだよ。お前、そんなんで今日接客できんの?」
「仕事は別だろ?バーカ」
俺はいつもの営業スマイルで、康介に微笑んでやる。
「………白石って本当かっこいいな。そんな笑顔で微笑まれたら、誰でも惚れるわ」
「野郎に惚れられても嬉しくねぇーよ」
星は別だけどな。
アイツになら、骨の髄まで惚れられても足りねぇー。
俺だけに溺れて欲しい。
そんな勝手な独占欲。
「さーて、そろそろバイトに行きますか。ごちそーさまでした、康介クン」
「え?まだ早くねぇ?」
「今日は特別なお客様が来るらしいから、ちゃーんとお仕事しないと」
「はぁ?誰だよ、特別な客って」
「…………ナイショ」
俺は星にひと言、心配するなとラインを送り返した。
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