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週も最後の金曜日の昼。
今日の夜には星に会える。
今週……長かったなぁ………。
なんで今日に限って、俺は午後からの講義を受けなきゃいけねぇーんだろ。
単位取得の為だけど。
一応大学生だしな。
バイトばっかしてらんねぇーし。
外のベンチで煙草を吸っている俺に、弘樹からラインが届いた。セイがヤバい事になってると、しかも画像つきで。
アイツ昼休みか?
弘樹がキスマークの件で話した時、何かあった時の為にと連絡先を交換したのだが。
添付されていた写真は、コックコートを身にまとい、長い前髪をピンで留めている星………の周りに群がる女子生徒達の写真。
これは……………。
なかなかにヤバい。
真っ白のコックコートに、グリーンのネッカチーフをして、いつも前髪で隠されている大きな瞳は写真の光の加減か、困り果て少し潤んでいる様にも見える。
…………ヤバい、可愛すぎだ。
弘樹がいうヤバいは星の姿ではなく、この状況の事だろうが………いや、どっちもか?
でも、なんでアイツ学校で………。
とりあえず俺は弘樹に連絡を入れた。
『あっ、白石さんッスかっ?!セイが女の子達に囲まれちゃって……ヤバいんッスよ!!』
ガヤガヤと騒がしい音が、弘樹の声の後ろから聞こえてくる。
「弘樹、星に代われ。んで、とりあえずお前が周りに群がる女達をどうにかしろ」
俺が弘樹にそう伝えると。
『はいっ!!あ、セイーッ電話っ!! 代わってって。あ、うん、大事な用事………そうそう、え?俺?友達……クラスは…ちが………俺…………スポ………………』
弘樹は周りの女達と話ながら、上手い事星に代わるように促していた。
『………もしもし?』
少しだけ静かになったところで、やっと星の声が聞こえてくる。
「お前なにしてんの?」
『えっ?!嘘っ!!白石さんっ?!なんで弘樹が白石さんの番号知ってるのっ?!』
「それはまた時間ある時に説明する。とりあえず星、人気の無いとこに移動しながら話して。それと髪、元に戻せ」
『え?あ、はい……』
騒がしさが少しずつ遠のいていく。
「星?学校で前髪あげたの?」
『オレ、先生に注意されちゃって……実習中は不衛生だから髪あげなさいって。実習の時は帽子を深く被ってたから良かったんですけど………』
「けど?」
『先生に用事があって、職員室入る時に帽子とらなきゃいけなくて。それでそのまま廊下歩いてたら女の子達に囲まれて…………』
今にも泣き出しそうな星の声。
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