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「星、落ち着いて。お前を攻めてる訳じゃない……今、たぶん弘樹が女達相手にしてくれてるはずだから、大丈夫」
…………俺に憧れるなら、これくらい上手くあしらえよ、弘樹。
『オレ……びっくりしちゃって……あんなにいっぱい話しかけられて……たまたま弘樹が通りかかってくれて………白石さんの声……聞けて…安心して……』
少しずつゆっくり話してくれる星。
側にいたら抱き締めて、頭撫でてやれんのに……。
「星、大丈夫だから。ちゃんと話してくれてありがとな」
『白石さん………』
「声、聞けて良かった……髪はちゃんと戻した?」
『うん』
「お前は俺のモンなんだから、可愛い顔あんま他のヤツらに見せんなよ?」
『へ?えっ、あの……はぃ』
どんどん小さくなっていく声。
電話越しでも、星くんは恥ずかしいのな。
「星………好きだ。昼からも頑張っておいで」
『っ!!ありがとうございます……』
ガサッと電話越しでお辞儀する音がした。
『あのっ……オレも……好きです。白石さんの事………』
「ん、ありがと。今日21時過ぎには迎えに行けると思うから。ちゃんといい子にして待っとけよ?」
『はい、いい子にしてます……』
あー、可愛い。
「そろそろ弘樹のところに戻ってやりな。コレ、アイツのスマホだろ?」
『あ……はい、白石さん……ありがとうございました……それじゃあ…また……』
「ん、またな」
俺は名残惜しく電話を切った。
はぁ…………。
もう1本吸ってこ……。
箱から煙草を取り出し口に咥える。
フィルター内にあるカプセルをカチッと歯で噛んで、火をつけながら息を吸う。
ふわりとブルーベリーの香りが、煙を吸う度鼻に抜けていく。
あー。
午後イチの講義、でるの面倒くせぇー。
星は大丈夫だろうか?
女達よ。
星の可愛さより。
弘樹の爽やかさを選んでくれ。
弘樹はサッカーもやってるし体付きもしっかりしている、それなりに身長もあるしな。人懐っこい弘樹のはにかんだ笑顔につられて、星の事は忘れさられますように……。
あぁ、情けねぇー。
何もしてやれない事に苛立ちを感じながら。
今の俺は弘樹の頑張りにかけるしかなかった。
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