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「怖くねぇーよ、なぁー星くん?」
俺は星のほっぺにチュッとキスをすると、ランに向けてウインクしてやる。
「?!あっ、あの……白石さん……ランさん……いますよ……」
真っ赤になっていく星は、本当に可愛い。
「いいのよー、好きにイチャついてちょーだい。星ちゃんは雪夜の恋人なんでしょ?雪夜から聞いてるから大丈夫。こんな雪夜なんて、今まで見た事なかったから嬉しいわー」
「ランさんっ!!」
「それだけ星ちゃんは、雪夜に愛されてるの。凄いことなのよ?こんな男が人を愛せる日が来るなんて」
キャーキャー言って喜ぶランと、ニヤける俺との間で星はいつになくアタフタしている。
「ランも喜んでるし別にいいだろ。あ、それよりその横島だっけ?ソイツ………どんなヤツ?」
なんかわかんねぇーけど。
すげぇー気になる。
「料理以外興味ない人間よ。ホテルでシェフしてた時も、浮いた話なんて聞かなかったわ。まぁ、忙し過ぎてそれどころじゃなかったけど。今は三十路前くらいかしら?雪夜程のイメケンじゃないけど、整った顔してるわよ」
「ラン。その横島とやらに、ちゃんと生徒には手出すなって言っといて………」
相手は三十路前、俺は二十歳前………自分の幼さに情けなくなる瞬間だった。
「わかってるわ、雪夜の大事な星ちゃんですもの。あ、でも昌ちゃんはノンケの子よ?多分単純に、星ちゃんの顔が見えないのが気になっただけよ、調理の先生としてね。星ちゃんまだ一年生だし、今のうちにちゃんと教えたかったんじゃないかしら?まぁ、昌ちゃんも間違った事は言ってないと思うわ。ただ、それを言った生徒の恋人が、たまたま雪夜だったってだけでね」
「……世の中狭すぎんだろ」
「そんなもんよ。でも今回は狭くてラッキーだったわね??昌ちゃんが私の知り合いじゃなかったら、来週から星ちゃんは雪夜だけのものじゃなくなってるわよ?」
「うるせぇー」
煙草の煙を吐いて、俺は星をチラ見する。
ランの言葉に安堵したのか、さっきの重たい表情はなくなりいつもの可愛い星の笑顔が戻っていた。
星は……なんで俺に話してくれなかったんだ?
ランと星は横島ってヤツの話で、2人で盛り上がってるし。なんかすげぇーイライラする。
星が相手に興味がなかったとしても、相手がどう思うかなんてわかんねぇーし。元々俺は星に出逢うまでノンケだったワケで。俺より年上で料理が出来る男……しかも学校で毎日顔合わせる『先生』って………ねぇ。
横島って野郎の話は弘樹の時の様に、余裕な顔は出来そうにねぇーな。
俺は煙草を灰皿に押し付け火を消すと、どうにもならない独占欲をどうにかしたくて…………。
「ラン、トイレ貸して」
星の手を強引に掴むと、店の一番奥にある男子トイレに星を無理矢理連れ込んだ。
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