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「じゃあ…お世話かけました、お邪魔しました」
「また来てねー…あ」
ペコ、と頭を下げ扉に手を掛けた時
突然腕を掴まれてグイッと引き寄せられた
「わっ……んむっ」
唇に柔らかい感触を感じ、それがキスだと認識するのに少し時間がかかった
「忘れてた、昨日の仕返し」
「えっ…あ…仕返し……?」
「寝落ちされたからなぁ、一人ですんの情けなかったで?」
一瞬何のことか分からず、それに気づいた時に顔から火が出そうな程恥ずかしくなった
「ごっ…ごめんなさい!!」
「ははっ、はよ帰りな、またな」
「は、い…また……」
パタン、とドアを閉めてエレベーターに向かう途中で触れた唇に指を当てキスを思い出した
(絶対モテるわあの人、絶対な…!)
あんな事されたら誰でもオチるやろ
あんなん簡単に出来るんやもんなぁ、やっぱり格好ええ
一階に降りて携帯ナビを起動させ自宅へと歩いて帰って行く
その帰り道、前を歩く見た事のある後ろ姿があった
「あれ、先輩?……せんぱーい!」
「え、あ…山崎、お前」
振り返った山岡は夕成を見るや否や、顔付きが変わり何かを言いたげな様子だ
「先輩?どこおったんですか?」
「どこって…昨日の事覚えてないの?」
「や、すみません…途中までしか…」
「…はぁ、もう、なんなの…お前のせいで、俺の貞操が危機に晒される所だったんだぞ…」
「!?!!」
あの確か、弥生って人
あの人が先輩を…!?
「えと…詳しく聞いてもいいんすか」
「………」
「あかんっすよねぇ、すみません出過ぎた真似を…」
「……た」
「え?」
「抜き合いっこした…」
"抜き合いっこ"???
「抜き…、それってなんか、あれっすね…学生時代思い出しますね」
「うるせぇよ、無理矢理だよクソ……」
赤く染めた顔を手で隠すような仕草を見せた山岡が何だか可愛らしく見えてしまった
「それだけで終わったんですか?」
「……」
「???」
「お前、誰にも言わない?」
「え?はい、言いません」
言いづらそうに口を籠らせ、何を言ってくれるのか気になって早く早くと言わんばかりに急かし立てた
「なんすかなんすか、めっちゃ気になります」
「なんか…その、ヤるまではいかなかったんだけど…前戯、までされた……」
「!?!!???!!!!?!」
手が、手が早い!!
あれ!
確か記憶が正しければ、稑さん弥生は変な事する奴じゃないって!
言ってた気が!!
俺の解釈がおかしかった!?
「そっ…それは、先輩も合意の上って…感じ?それともまた無理矢理な、感じ?」
「………」
「先輩…?」
「最初嫌だったけど…その、だんだん…どうでも良くなってきたっていうか……」
「あー…なるほど、流された的な?」
「おいっ!流されてなんかねぇよ!!」
「ほな合意の上なんですね?」
「……」
可愛いなぁ、先輩
こんな一面もあったんですね、可愛いなぁ
「そっ…そういうお前はどうだったんだよ、やたら積極的に迫ってたけど」
「おっ、俺っすか?……いやぁ、先輩の後に言うのも恥ずかしいんですけど…寝落ちしちゃいました」
「ぶっ…!」
「あっ!笑った!!!酷いっすよ!!!」
あはは、と大声で笑われ自分の結果が恥ずかしくなって山岡の腕を掴んで早く帰ろうと歩幅を大きく歩き始める
「でもお前って男が好きだったんだな」
「え?」
「ノーマルだと思ってた分驚いたけど、まぁ俺もそんな感じになっちゃってるしね」
「あー…はは、まぁそうです」
「週明けからまた頑張ろうなー」
「うっす、頑張りましょう!」
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