アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
22
-
稑に引き止められた夕成は
連れて行かれるがまま稑のマンションへと向かった
「どうぞ」
「…お邪魔します」
「もう落ち着いた?」
「…はい、目がぱんぱんですけど」
「ほんまやな」
初めてこの部屋に入った時と変わらぬ空気や匂いに
どこか優越感を感じながら
稑の後に続いてリビングへ向かう
「適当に座って」
「はい」
そう言ってキッチンへ歩いていく稑を横目に
ソファーへと腰掛けこの間皆で
お酒を呑んだ時の事を思い出した
そういえば先輩、弥生さんとどうなったんやろ?
進展あったんかな?
また帰ってから聞こう。
「あー…」
「?」
「なぁ飲みもん酒しかないんやけど、のむ?」
「大丈夫です、すぐ帰るんで…」
「…あのさぁ、なんでそんな帰りたがんの?なんかあんのやったらはっきり言ってええで」
「ごめっ…んなさい…」
「いや謝らんでええけど」
苛ついた声に萎縮してしまい、下を向いたまま顔を上げられない
稑さん怒ってる…
「夕成君」
「は、い…」
夕成の隣に稑も腰掛け、下を向く横顔を見つめる
「こっち見て」
「…」
「夕成」
「はい…」
声色が変わり、そう呼ばれると言う事を聞くしかない
「なんちゅう顔してんの」
「だって…稑さん、怒ってる……」
「怒ってへんよ」
「本当に…?」
「夕成君こそなんなん?さっきから変な感じやけど」
「…稑さんが、誰といても何も言う資格はないんですけど…でも、嫌なんです」
「うん」
「さっきの女の人もめちゃくちゃ気になるんです」
「うん」
「俺、稑さんのこと…好きなんです」
「……」
今まで相槌を打ってくれていた声が途絶えた
言ってはいけない言葉を口走ってしまった
「あっ…ごめんなさい!ごめんなさい!…すみません、本当忘れてください、すみません…」
「…帰る?」
「あ………はい……すみませんでした…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
22 / 24