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[第一章]罰ゲーム
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───時は放課後。教室で暑い勝負を繰り広げる男子高校生が3人───
俺はいま悩んでいる。とても悩んでいる。
選択肢は2つ。右か、左か。
机の上であぐらをかき、目の前で同じようにだらしなく机に腰掛ける友人の手元のトランプを睨みつける。
そして、意を決して─────
右側のカードを引いた。
「よっしゃああああああ!!!オレの勝ちーー!」
「うっわ…さいあく。よりにもよって遼矢(りょうや)に負けるとか…。」
「悠(はる)が罰ゲーム決定だな。おめでとう。」
あー、ちなみに俺は負けた方、悠ね。うるさいのが遼矢。おめでとうなんて嫌味な言い方してんのは一樹(かずき)。どっちも俺の友達。
で、俺たちはさっきまで罰ゲームを掛けて心躍るバトルをしてた。まあ、ババ抜きなんだけど。
気になる罰ゲームってのは…
「悠、ちゃんと告ってこいよ!ガリ眼鏡によ!」
「マジかよ…。俺、あいつが人と話してるのすら見たことないんだけど。」
そう。ガリ眼鏡、こと森川空(もりかわそら)に告白すること。
男同士なのに告白、ってのはあんまり気にしないでね。うちの学校は男子校だから、男同士で付き合うだの何だのは割とよくある話なんだ。俺は女の子の方が好きだけど。
で、森川はいつも1人でいてダサい眼鏡をかけた暗そうなやつ。クラスでもかなり浮いてる。名前も変だし。森川空って…。三文字に自然を詰め込みすぎだろ。結局のところ何属性なんだよお前は…。
「てか俺森川がどこにいるか知らないよ」
なんて。めんどくさいし、罰ゲーム回避できないかなあ。
「安心しろ。ヤツは放課後いつも図書室に居ると調査済みだ。」
「ちっ。無駄に有能な一樹め」
「まあ、そんな嫌がらなくても、悠はモデルやってるくらいだし、笑顔で迫れば免疫なさそうなガリ眼鏡はイチコロだろ」
まあ、たしかに。余裕かな。
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