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夜の星が煌めいて見えるのは (木赤)
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「おつかれっしたー」
「おつかれ」
「おう!また明日なー」
次々に帰る部員たちを見送って、いつも最後になるのはおなじみの二人。
「なあなあ!今日の俺どうだったよ!キレッキレだっただろ!」
「そうですね。今日の調子をそのまま試合で発揮してもらえると嬉しいです」
任せろと胸を張る木兎に、赤葦は期待していますと言葉を送ってその会話は終わった。
いつも木兎の独裁的な会話に赤葦が付き合うという構図が定番で、二人っきりになってもそれは変わらない。
鬱陶しい時もあるが、嫌いではないんだよなと赤葦はTシャツを脱ぎつつ思っていた。
すると突然、がしっと二の腕を掴まれた。
「なん、ですか?」
じいっと腕を凝視して黙る木兎に、戸惑う。
「お前」
凶暴な視線がぶつかる。
心臓が徐々に高鳴るのをうっとおしく感じながらも、次の言葉に期待してしまう。
「筋肉ねぇよなぁ」
むにむにと二の腕を揉むのに夢中な木兎は、赤葦のこれまでにない無表情さに気づかない。
「…元々、筋肉付きづらい体質なんです」
愚かな期待をした自分に盛大に呆れながら、まだ触り続けている鈍感野郎こと木兎に言った。
「鍛え方が足りねぇんだろ、もっとトレーニングをだな」
「木兎さんは」
無理矢理言葉を挟んで、今度は赤葦が凶暴な瞳を向ける。
「ムキムキな俺の方がいいんですか?」
「ムキムキな…赤葦………………ぶは!笑える!」
「あのですね、真面目に聞いてるんです」
「でもないよりある方がいんじゃね?ブロックする時とか止めやすくなるかもよ」
「…それは、そうかもしれませんけど…実際俺がそうなったらあなたは……」
相変わらずのおちゃらけた態度に思わず熱くなったが、最後の言葉は言えなかった。
「大丈夫だ!」
ひときわ明るい声に伏せた顔を上げる。
そこには変わらない強い強い瞳。
「どんなお前でも、俺は好きだからよ」
ニッと豪快な笑顔と共に言われた言葉に赤葦は────
帰り道、夜の星が煌めいて見えるのは、心が満たされているからだろうか。
end
──────────
この二人はこんな感じで振り回されて振り回してがいい。
「ムキムキな俺でも抱けるんですか?」
って赤葦君に言わせようか迷ってやめた←
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