アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
金環月食 (木赤)※
-
(ちょい閲覧注意!)
「試してみるか?」
獲物を狙うような鋭い二つの目が、自分を見つめている。
薄暗い部屋で二人きりで、このシチュエーション。
思わず飲み込んだ唾の音がやけに大きく聞こえた。
月が完全に姿を消すまで、あと数分。
木兎さんの手が顔に伸びる。触れた指は、思ったより冷たい。
近づく顔に抵抗する気はさらさらない。むしろ、ゆっくり隠れていく月のように焦れったい。
チュと軽いリップ音と共に重なった唇が、熱くて驚く。
そのまま壁に押し付けられて、腹から這い上がって来た手の平が体から熱を奪っていく感覚に思わず身をよじった。
女みたいに、胸、いじるんですか…?
ここへ来て恥ずかしさから、そんな悪態をついてしまった。
暗闇の中、木兎さんの輪郭だけしか見えなかったが、その口が小さく笑うのが見えた。
嫌ならやめっけど…?じゃあ、赤葦のいいようにするから、どうして欲しいか言ってくれ。
墓穴を掘った。今の方がよっぽど恥ずかしい事になってる。
お互い初めてで、何をどうすればいいかなんて、俺だってわからない、のに。
どうした?
困っていると、木兎さんの声が近くで聞こえて、びくりと体が跳ねる。
今、暗くてよかった。きっと、すごく情けない顔をしてると思うから。
ぺろりと不意打ち的に首筋を舐められて、さらにビクつくと、いつものように楽しそうな声が言った。
早くしろよ?じゃないとオレの好きにすんぞ。
答える代わりに黙ると、イエスと受け取ったようで中途半端な位置で止まっていた手が胸へと上り始めた。
先端に触れた途端、口から漏れた声は本当に自分のだったのだろうか。
チリチリとした奇妙な感覚に、じわじわと下半身に熱がこもる。
あかーし、可愛いな…
再び唇が重なる前にそんなこと言われたら、否定もできない。
ぐにぐにと潰される胸と、舌が絡まるキスによって与えられる快感に脳が溶けていくようで。
いつの間にか密着していた下半身に、木兎さんの膨張したモノの硬さと大きさにゾクリとする。
『男同士でなんて、ほんとに出来るんですかね』
窓の外の男女のカップルが空を見上げながら仲良く歩いてるのを見て、思わず漏れた言葉からまさかこんな事になるなんて思わなかった。
木兎さんは、俺が思ってたよりずっと色んな事を我慢していたのだろうか。
「赤葦」
鼻先で熱っぽい声に名前を呼ばれて顔を上げると、暗闇に慣れた目と目が合った。
試していいんだよな?
最後の確認。下半身は、待てないと言うようにドクドクと震えている。
ありふれた言葉だけど、言わずにはいられない。
なんていったって、初めて、なのだから。
それを聞いた木兎さんは、小さく笑って頷いた。
月が姿を消してから再びその姿を現しても、この行為が終わる事はなかった。
end
──────────
タイトルのお題とは別に木赤への3つの恋のお題:試してみる?/ありふれた言葉だけど/薄暗い部屋で二人きりってのを含めて書いてみました
書いていて楽しかったです。でも今はこれが限界…!その内ちゃんとエロ書きたい(願望)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 13