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困ったちゃんにしおりをはさみました!
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困ったちゃん
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「おい……お前帰れよ……。」
今俺は、優に非常に迷惑している。
「やだよ。今日は泊まるんだし。」
はあ……。さっきからこの調子である。泊まると言って聞
かない。
「うぅ………っ、悠人ぉお!」
こいつ頑固だな。諦め悪いぞ!嬉しいけどっ!
「縁下に迷惑かかるし。」
そうだ。俺の都合で泊めることはできない。
「え?だって俺、悠人と一緒に寝るよ?」
「はあ!?」
おいおい、縁下に続き何故また男と一緒に寝なくてはならない。
「はあ!?って、仮に俺は一体どこで寝ることになってたの!」
「え、ソファ。」
「ひどい!」
逆に俺と同じベッドで寝るという選択肢が理解できん。
「それじゃ泊まる意味が無いじゃん!」
まぁ、言われてみれば確かにそうだけど…。
俺の部屋なら縁下に迷惑かからないし、大丈夫かな。
そう思って縁下を見てみる。
「それは無理だ。」
ほら、やっぱり縁下に迷惑かか
「阿久津は俺と寝る。」
ん、なに、え?
「ちょっと!なんで縁下さんが!?」
「阿久津、まだ怪我治ってないだろ。こんないかにも寝
相悪そうなやつと寝たらまた怪我する。」
「え、怪我……?」
寝相が悪いという発言には触れず、優はすごく心配そうに
俺を見てくる。そしてハッとしたように顔を強ばらせた。
「さ、さっき!倒れた時、大丈夫だったのかよ!?」
「倒れたって、さっきのそういうことだったのか。」
縁下がはぁ……、と溜め息をつく。
「やっぱり今日は俺と寝ろ、阿久津。悪いな。」
俺のためにやってくれていることなのに、謝られるなんて
こっちのが申し訳ない。
「縁下が謝るのはおかしいだろ。こっちこそ、世話焼かせ
てごめん。」
この好意はありがたく受け取る。そう、ありがたくだ。
本当にありがたくなんだけど、やっぱり少し躊躇の気持ち
がある。だって、男同士なんだもん……。
そんな思いは掻き消して優の方を見る。
うわあ……。拗ねてる。どうすればいいんだ。
「いいですよ!もう帰るって。」
やばい、怒らせた!
「優!今日は、ごめん。今日はごめんなんだけど、今度な
ら…………な?今度、泊まりに来て!」
そう言ったら、しぶしぶという顔をした後に、その表情は
すぐ笑顔に変わった。
「もう!しょうがないなぁ。じゃあ、今度だぞ!絶対だか
らなー?」
どうやら了承してくれたみたいだ。
良かった、機嫌直してくれて。
…………あれ、俺すごい必死じゃね?これが友達いないや
つのパワーか。
「じゃあな!おやすみ!縁下さんも、今日はすいませんで
した!」
「ああ、じゃあな。」
「じゃあなー優。」
おう!と言ってから優は部屋を出ていった。
はあ……。なんか疲れたな、ほんとに。
縁下の方を見てみれば、縁下も同じ事を思っているよう
で、一度深く溜め息をついた。
今の時刻は7時半。
「……飯食って風呂入って寝るか。」
「おう、そうだなー。」
そう言って縁下はキッチンへと向かう。
「阿久津、先風呂入っていいよ。」
「お、まじか。サンキュー。」
どうやら飯を作っている間に風呂へ入ってこいということ
らしい。
そんじゃあ、お先に入らせてもらおう。
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