アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
無駄な抵抗にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
無駄な抵抗
-
昨日、谷原とセックスしたおかげで発情期の症状はかなり治まってる。本当だったら大体1週間くらい続くらしいから、油断は出来ない。抑制剤も忘れず飲んでおくけど、効果が出てくれるかは分からない。今まで一度もこんな風になった事はないから。
「そういえば俺…初めてだったな…」
キスも、セックスも、谷原が初めてで。あっという間に奪われた様な気持ち。だけど、なんか、奪われただけじゃない気もする。…なんて、浸りすぎかな。
そんな人生の特別な日に、俺は変わらず学校へ行く。それが学生ってもんですから!
でもなぁ、本当に谷原とどう顔を合わせたらいいのか分からない。谷原はどんな顔をしてくるんだろ。どうせいつもと変わらないんだろうな。
そんな葛藤なんかがありつつ、時間はあっという間に過ぎて登校を余儀なくされる。家を出る前にリビングに寄るとすでに母はいないけど、朝ごはんは俺の分も置いてあった。愛なのか義理なのか…俺はそれを食べてから家を出た。
教室にはいつもの顔ぶれ。俺を見て挨拶を交わしてくれるのは西だけだ。昨日俺に劇的な事があったのなんか、誰も知りもしない。いや、知らなくていいんだけどね。
「おはよう。風邪大丈夫か?」
「おはよう。平気。」
「ならいいけどさ。」
「ん、ありがとう。」
そんな挨拶を交わしてすぐに谷原がやって来た。
なんか少し、眠そうな顔をしてる。そりゃそうだよね。俺も少し眠いもん。
だけど、谷原が俺の方を見ると、ホッとした顔をしてから小さく笑った。俺、なんか変な顔してたかな…。
「皆おはよう。今日も元気にねー。出欠は面倒だから欠席の人がいたら教えてー。」
またこの人は面倒とかいうのなぁ…。いい奴だって思ったけど、教師としてはどうなのかなぁ、これ。ちょっと自信なくなって来ちゃった。
俺は呆れて溜息を吐くと、それを見ていた谷原が片眉をひくりとあげた。
嫌な予感。
「海斗、盛大な溜息の理由、後で聞かせてくれるよな?」
「…溜息なんてついてましたっけね?」
「いらないから、そんな嘘。化学準備室な。」
「…はぁい」
俺の嫌な予感ってね、よーく当たるんだよ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 201