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こわいひと。 2にしおりをはさみました!
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こわいひと。 2
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袖野さん、今何してるかなあ。
自分には想像もつかないような、
ゴージャスで大人でセレブリティなことをしているのかもしれない。
そう思うと自分が少しだけ惨めに思えた。
がたんと電車が揺れ、
ミナミは窓ガラスに頬が押し付けられるようになってしまう。
「うお」
冷たい温度が頬に触れ思わず声を零してしまう。
狭い。
今日はなんでまたこんなに混んでいるんだろう。
そんなことを思っていると不意に身体を弄る手があった。
明らかに不本意にぶつかっているわけではなく、何かを探すように両手で身体に触れられミナミは眉根を寄せた。
「........ん..?」
何か落し物でもしたのだろうかと思っていると、不意に袖野の声が蘇る。
ちゃんと逃げなあかんよ、と。
以前助けてくれた時言われた言葉だった。
自分は全然平気だったのだが、
あの時の彼は凄く悲しそうな顔をしていた気がする。
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