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気合いを入れて挨拶をした途端、目の前には戦場のような光景が広がっていた。そのただならぬ光景に僕は一瞬で表情が固まった。鳴り止まない電話の嵐に、よどんだ空気。そして、殺気だった編集部の人達。中には服装や髪型が乱れた酷い顔の人もいた。そして、周りのデスクは色々な物が積まれていて汚かった。
僕は一瞬しまったと感じた。大きな声で挨拶をして入ってきたから皆の視線が一斉に自分に注がれた。中には僕に向かって「うるせえ!」と言いそうな雰囲気の人もいた。受話器を片手に、凄い目つきで僕を見てきた人がいた。殺伐とした雰囲気の中、僕は皆の視線を一斉に浴びたのだった。そして、その視線に耐えられなくなると僕は笑いながら「失礼しました」と扉の前で頭をかいて、てへへと可愛く笑った。
正直、可愛く謝れば許してもらえると思った。だって可愛いは武器だ。自分の武器を使って何が悪い。寧ろこの場合、可愛く謝って見せないと、回りの人達に殺されると感じた。だから僕は茶目っ気たぷりに舌を出して、てへへと扉の前で明るく笑った。童顔だからきっと許してくれるはず、だって僕は見た目は可愛い分類に入る。だから、見逃してと言わんばかりに可愛く謝って見せたのだった。その瞬間辺りは静まり返ると、どこかで誰かが受話器をベキッと握り壊す音が聞こえた。そのあとは皆、僕から視線を外すと何もなかったように各々と忙しそうに仕事をしていた。僕は危なかったと軽く胸を撫で下ろした。
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