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卒業式も終わり、春休みも間近に迫ってきた。1年間の復習に入ってる科目も少なくなく、年度の変わり目は割かし楽。
少しずつ、気温も1月とかに比べたら上がってきて、過ごしやすくなってきた。…俺にとってはまだ寒くて防寒具は欠かせないけど。
「昴流と愁って春休み何すんの?バイト漬け?」
春休みが近くなっては極普通の話題を、いつものようにパックのイチゴオレを飲みながら口にした琉生。乳製品を飲んでるのは俺に喧嘩を売ってるのかとか毎度思うがそれは置いといて、その質問に顎に手を当てて考えてみる。
バイトは春休み中週5でいれてたような気がする。入れてるって言っても夜のピーク時が殆どで、朝と昼は空いている。
「バイト漬けって訳じゃないけど…まぁ増やした…?」
「俺はいつも通り。そう言うルイちゃんは?」
「休みの半分学校に軟禁」
「えっ…」
「それって…」
琉生に質問し返したら、思いもよらぬ回答が返ってきて、多分愁も同じだろうが真っ先に頭に浮かんだのは涼だった。
まさか、まさか。涼に脅されでもしたんだろうか。琉生化学だけは苦手そうだったから今年こそ補習に駆り出されたんだろうか。涼なら……しそうだ。
「えっと…その、ルイちゃん。1人でも頑張って…」
「涼に意地悪されても泣かないように…?」
「えっ待って俺春休み中椿先生にいじめられんの?止めて止めて止めて止めて。考えただけでも恐ろしい」
…あ、この反応は違うみたい。良かった。
「合宿な。ほらバスケの」
「あー…。…え、1日中?」
「まぁそうなんだろ」
「うわー…」
「ルイちゃんの誘い断って正解だったわ~…」
ハードスケジュールに「うわー」しか言葉が思い付かない。バスケ部凄ぇスパルタ。春休みの半分ってことは大体1週間だろ?1週間ずっとバスケするのか…。俺琉生の誘い断って涼が顧問してる部活に入って良かったって心底思った。バフケ部に比べたら何倍も楽だもん。というかそもそも涼があんま来ずに部員に活動内容任せてる感じだし。「俺がいなくても高校生なんだからできるよな」…みたいな。…陸上部万歳。
「最後の3日間は練習試合ぶっこまれてたしな。筋肉痛で死ぬわー」
「へー…最後の3日ってこれはまた疲労が溜まったときに…」
「それな。予定聞いたとき絶望しかなかったわ」
1週間の折り返しで疲れてるところに試合があるんだな。マジで大変だな。頑張れ琉生。俺は参加しないけど琉生が生還できるように祈りはしてみるわ。
「…まぁ、椿先生と比べたらましと思えば…」
「えー…」
俺からしてみれば半日で匙を投げてサボりそうな合宿なのに、それよりも酷いって言われる涼って。大袈裟だろ?涼そこまで厳しくないじゃん。
「椿先生は厳しいとかじゃなくて…怖いんだよ…理不尽だしドSだし…流石『椿涼』階級を作り上げた人なだけはある…」
嗚呼、つまり肉体的にじゃなくて精神的に疲弊するんだな。
『椿涼階級』…って、前も言ってた奴じゃないか。やりすぎは駄目だぞ涼。
まぁ、つまりは1週間『椿涼』様に弄られて過ごすよりも永遠と運動してる方が断然良いってことだ。
分からないこともないけれど。俺も涼の家族や親戚大集合してドSに囲まれたとき泣きたくなったもん。それが1週間続くって、俺絶対途中で帰る。かといって運動と天秤にかけるつもりはないけど。運動も嫌だもん。
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