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その日は朝から憂鬱だった。
「帰りたい」
「帰ってもその後自分で病院いけって言われるだけだよ」
「…む」
悩みの種。何でそれに病院が関係してくるのかは簡単な話だ。新学期始まってすぐのイベントなんて、分かりきってることだ。
「俺琉生よりも高くなりたかった」
「え、1フィートももう延びないだろ…?」
「ルウちゃん、昔は140センチしかなかったんだよ?それだけ伸びたんだから十分でしょ」
「そう言ってお前ら俺よりも身長あるじゃねぇか!!」
そう、身体測定。俺が一番嫌いなやつ。出席番号的に一番身長の高い琉生から始まり、愁、俺って何の嫌がらせだよ。違う。俺は決して低くはない。俺よりも高いこいつらが悪いんだ。もっと言えば170cmよりも高い奴が多い俺の周囲が悪い。
「否お前はそれよりも体重だろ?60は欲しいよなぁ…」
「そんなにすぐ増えない」
琉生に横腹を揉まれるが揉まれたって肉は増えない。俺食べれる量は頑張って食べてるから今のペースでしか体重は増やせないぞ。つーかまず最近あんま体重増えなくなったし。俺の体じゃあこん位の体重が合ってんじゃねぇの?
「まぁ…、体質的なもんもあんのかもあんねぇけどもうちょい肉増やせよ?」
「っひ…、ふふ、分かったから、擽ったい」
琉生にむにぃ、って横腹を摘ままれる。肉があまりついてないそこを摘まんだってつるんって琉生の指から逃げていくだけで、ただ琉生に擽られてるようなものだ。その擽ったさに身をよじらせ、逃げる。
「…あー、何か俺見ちゃいけないの見た気がする…」
「んー…っ、ふふ…っ?」
逃げても逃げてもツンツンツンツン。リズムを刻むかのようにそこに触れていた琉生は突然に、溜息を零してそんなことを言った。
え、何。何か問題あった?見られて困るようなの俺の体にはないと思うんだけど…あ、キスマーク?でも今更だよなぁ…?
「お前凄ぇ…何て言うの…俺の手と重ねて見るとマジで心配になる位に白いな…」
「あー、ルウちゃんすっげぇ肌白いよね」
「そう。ここまで来ると病気なんじゃねぇかなぁって思ってしまう」
2人が俺の肌と琉生の手の色を見比べだす。琉生の肌は白い方だと思うけど、それでも俺の方が白い。そりゃあな、俺お前と違ってそこまで日が当たる場所にいねぇもん。陸上してるときも長袖だし。病的な白さなんじゃなくてなるべくしてなった白さだ。大丈夫。俺の大嫌いなゾンビはもっと色が白を通り越して青白いから。つーかもうあれ腐敗始まってる色。それよりはマシだ。
「日焼けサロン?」
「否…、そんなことしたら俺らがそれを切り出したんだろって椿先生に怒られそうだから止めとけ」
「あいつ絶対ルウちゃんのこの白さ気に入ってるよ」
「…そう?」
俺は肌の白さなんてどうでもいいし、これならすぐに焼けるだろうと提案するが2人に却下された。その理由が涼関係って。
へー、涼気に入ってるのな。初めて聞いたけど涼が好きなら良いかこのままで。
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