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昼食を食べ終え、仕事に間に合わないかもと慌ただしく俺達と別れ車を走らせていった兄貴。
2人になって、特にやることも無く、かと言って忙しいわけでも無い。
寧ろ暇な方で、その暇な時間を埋める為今は学校の近くのゲーセンで遊んでる。
最近は互いの家にいることが多くて、ここに来るのも久しぶりかもしれない。
「ちょ、ルウちゃん強い相変わらず!」
「お前もな」
格ゲー。中学の頃は良く愁と対戦していたそれを懐かしついでにプレイ。
操作方法を若干忘れていたがやっているうちに思い出してガチャガチャと音を格ゲー特有の音鳴らしながら、レバーを動かしたりボタンを押していく。
「…あ、馬鹿」
後ろ取られた。体力ゲージが逆転される。
このままだと負けてしまいそう。たかがゲームでも負けるのは嫌なのでカウンターで仕返しを狙いながらコマンドを打ち込んでいく。
「え、ちょ?!!…っぁあーーーー!!!負けた…後ちょっとだったのにぃ…」
実力的には互角で、お互い体力が残りわずかになったところで俺のカウンターが決まり、俺の勝ち。
愁は悔しそうな表情を見せ、だらん、と腕を機械から下して天井に顔を向けた。
「もう一回!リベンジ!」
「…はいはい」
あれからどのくらいやったかは覚えてない。
多分20回くらいは戦った。
負けたり勝ったり。お互い負けたらもう一回だとリベンジして。
そうやってやっていると久々にやったこれに熱中し過ぎていたらしく、気がつけば外はもう真っ暗。
なので何回目か忘れたそれに愁が勝利を決めた後、俺達はそろそろ帰ろうと立ち上がり、出口の方へ向かった。
「…あれ、あそこで絡まれてんのうちの学校のやつじゃね?」
「…あ?…嗚呼」
愁が指さした方向。手洗い場が近くにある、隅の方で俺等と同じ制服を着てる奴がいた。
「馬鹿だなあこんな時間にここに来るなんて」
ここは夜になるとそういう奴等が良く来る。
うちの学校にそういう奴等と殴り合いをするような俺達以外にはいない…と思う。
まあ、もともと頭が良いとこの学校だからな。
どちらかと言えば、絡まれる側の学校だろう。カツアゲ的な意味で。
良いとこの人間はあいつ等にとっては良い標的だ。
だってそうだろう、喧嘩とは無縁の奴等。適当な人数で囲めばすぐに怯える。
それでちょっと殴ればそれで小遣いが入るんだから。
そんな、良い鴨を奴等が見逃さないわけがないのに。
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