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風邪ひいてないか??
そんなメッセージに起こされる。
目を擦って「ひいてないよ……」と呟きながら返信を打つ。
そして、またすぐに返信が来て最終的に迎えにいくから、なんて。
なんだよ、それ。
俺は昨日何も言ってないじゃん、何も変わってないじゃん。
それなのになんなんだよ。
遙眞が迎えに来るとかいうからさっさと着替え始める。
服を脱ぐとふわりと遙眞の匂い。
昨日のことが夢でないことを決定づけると共にその匂いに落ち着く。
まるで遙眞に抱かれているみたいとか考えて、何考えてるんだろう。
脱いだ服を脱衣所の洗濯カゴに放りこみ、食卓に向かう。
いつものように用意されたご飯。
今日はどうしよう、そう思うけど遙眞に怒られたくないから二、三口。
そんなのは朝ご飯じゃないとか言わないでほしい。俺としては頑張った方。食べた方。
用意を済ませて外に出れば遙眞の姿。
こいつのことだから来るって言うのは冗談じゃないというのは分かっていたけどすでにいるとまでは考えてなかった。
「おはよ……」
「おはよ。本当に風邪ひいてないみたいだな。」
俺の顔を凝視してそう述べる。
なんだよ、信じてなかったのかよ。
「だから、ひかねぇ、って言ったじゃん。」
「それもそうだな。」
元気そうでよかった。そう後に続けて俺に自転車の後ろを勧める。
いつものように乗る遙眞の後ろ。
いつもは学校から帰る時だけだけど。
いつもの遙眞の後ろ、遙眞のぬくもり、遙眞の匂い
遙眞と登校も一緒にするようになった初めての朝。
それ以外は何も変わらない、何も変わらない一日が今日も始まる。
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