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外の方で鳥が鳴いている。
暗くなっていたはずの空はもう明るくって、時計に目を向ければ既に登校時間が近づいていた。
あれから寝れるわけもなくて気が付けばぼおっとしたまま夜を過ごしたらしい。
ぶるりと震える携帯。
表示を見れば遙眞からのいつものメッセージ。
『今日は元気か??』
なんて、俺が元気だろうと元気じゃなかろうとどうだっていいじゃないか。
『大丈夫、元気』
そう返せばベッドから降りて制服に着替え始める。
寝てないせいで身体がだるい。
そういえば昨日、放課後に体力を使ってそのままだったんだっけ。
絶対大丈夫なわけがない。
着替えながら自分の身体が危険だと警鐘を鳴らすのが分かった。
今、強がったって無理したって
何の意味もない
それでも、
無理しなきゃって思った
傾きそうになる身体をクローゼットに預けながらなんとか堪えて着替え終える。
ぐいっとネクタイを縛れば遙眞から返信。
『昨日は悪かったな、今日は迎えに行くから』
いつもと変わらない。
いつもと変わるのは最初の文。
昨日は遙眞が休んだから。
体調不良で休んだから。
もしかしたら休みの理由は違うかもしれないけれど、そうなっているから、そうだと信じたい。
昨日の和史や智瑠から聞いた話は全部夢であのふたりの考え過ぎだって思いたい。
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