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《急転》9にしおりをはさみました!
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《急転》9
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「…アキラ、」
近づいて声をかけるみずき。
瞳は堅く閉じられ…
胸や手指には計測器がつけられ…鎖骨下あたりから点滴も繋がっている。
口は人工呼吸器で塞がれているアキラ。
静かな病室に人工呼吸器の動作音が響き、心電図モニターがアキラの心拍を絶えずピッピッと刻んでいる。
本当に大丈夫なのか心配になるような姿のアキラ。
そっと手を握ってみるみずき。
温かい。
あの時は冷たい手をしていたアキラ…その熱を感じることで少し安心する。
「重病人みたいだな、」
ぽつりとヨシが零す。
「……」
この呼吸器が止まれば…アキラは死んでしまう…
アキラがこれほどまでに死と隣合わせの状態であることが恐ろしくて言葉がでない…
「大丈夫か?みずき」
ヨシはみずきを気遣うように呼ぶ…
「あぁ、すまない…お前が居てくれて助かった」
自分1人ではこれほど早く対応出来なかったから…
「いやいや…」
「ありがとう」
「とりあえず命に関わりはないって言ってんだから、安心しろよ、んで少し休め、お前まで身体壊したら意味ないしな」
「あぁ…」
「明日仕事?」
不意に聞くヨシ。
「あぁ」
「なら、帰ろうぜ、こいつなら大丈夫だろ」
ヨシは思い詰めたようなみずきに…気分転換させようと帰ることを勧める。
「しかし…」
こんな状態のアキラを残しては帰れない。
「健次先生もついてるし、今んとこ命に別状ないんだろ?何かあったら連絡もらえば、しばらくは薬調整するから目覚まさないっていってたし、仕事終わって見にくればいいんじゃね?」
心配性なみずきとは違い案外楽観的なヨシ。
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