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「もしかして……あの噂かな……」
ゲームの手を止めて雅姫は、何か思い出したかのように遠くを見つめた。
「また噂かよ……」
「噂だって本当のこともあるかもしれないだろう。最近、楓ちんの回りに男が寄ってくるって話を聞いたんだよ」
「なんだよそれ……」
無愛想フェイスだったはずの輝の眉間に、しわが寄ったのを雅姫は見逃さなかった。今まで自分の彼女が浮気をしていると噂を聞いても、表情を崩さなかった男がなぜそんな顔をする。
「お前その…………」
「何?」
「いや……。まあ、楓ちんはイケメンランキング急上昇って言われて名前が出るようになって、絵画科に来る奴が増えたみたいでさ。服装はださいけど、あの容姿じゃん。ゲイの奴らからしたら楓ちんはかなりの獲物なんだよ。俺はタイプじゃないから分からないけど、可愛いのが好きな奴が、楓ちんを狙ってるって噂を聞いたんだ。実際見たわけじゃないからスルーしてたんだけど、それが原因とかで悩んでいて何かあったんじゃないかなって思ったんだけど……考えすぎかな」
そんな話があったことに輝は突然、胸の奥がざわついてしまった。楓はのんびりした性格だから、変な奴に騙されたり振り回されたりしそうだ。でも……しっかりしている部分もある。嫌なことは嫌、嬉しいことは嬉しいとはっきり言うのを知っている。そう簡単に流される人間ではないはずだが、きっとその噂が本当なら怖い思いをしているかもしれない。いや……「可愛い」と言われたら、喜んで着いていきそうな感じもする……。確かに可愛い……そして目が離せない。
ーーちょっとまて……今、俺は何を思った……。
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