アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
束縛ー2ー
-
「兄様どこまでついて来るの?」
駅を通り抜け、信号が青になるのを待っていた僕たちだけど…
あれ?
兄様は駅で電車に乗るんじゃなかったっけ?
「ん?そりゃお前の学校までだよ。 俺は兄貴じゃないから嫌…か?」
「違う…けど、兄様電車乗らないの?」
「俺は悠を学校に送ってから電車乗るから大丈夫。 一人で行かせるの心配だしな」
兄様は僕の頭をくしゃくしゃと撫でて、
「信号変わったから行こう?」と僕の手を引いて歩き出した。
校門が見えてきた頃、兄様の足が急に止まって、
手を繋いでいた僕は首を傾げて後ろを振り返った。
そこで見たのは、
苦しそうに胸を押さえて居る兄様の姿で。
「兄様!? 大丈夫?苦しいの?」
「…大丈夫。 はぁっ…ごめん、すぐ治まる、から…」
ふぅ。ふぅ。と深呼吸を繰り返す兄様の背中をさすっていると、
やっと息が整ったようで、一言「ごめん」と呟いた。
「ちょっと今日さ、薬飲み忘れちゃって。 まぁいいや、行こう?遅刻しちゃうよ?」
兄様は頭をえへへ。ってかいて、そのまま校門に歩き出した。
「本当に兄様大丈夫?」
「大丈夫。 そう言ってる悠こそ大丈夫なの? 学校怖いんじゃない?」
「そんなこと…」
ううん。
怖い。
だけど、
家に居るほうが。
はる兄と居るほうが…
怖いって思っちゃうんだ。
「じゃあお互い頑張ろうな。 無理そうだったら俺の学校に電話していいから。ね?」
「…うん」 お互い…?
久しぶりに優しく唇を塞がれ、僕は恥ずかしくて下を向いてしまった。
兄様は僕のことちゃんと分かってる。
今はあんまりはる兄に会いたくないってこととか、
頭撫でられるのが好きとか、
優しくキスしてほしい。とか…
「じゃあな。 学校終わったら迎えくるからね。 兄様が学校遅れちゃう」
「うん…じゃあね、兄様。 ありがとう」
ずっと触れていた兄様の手を自分から離すと、
温もりが消えるようで、少し寂しい気持ちになった。
そんな僕の気持ちが分かったかのように、兄様は僕の頭をポンポンと撫でてくれた。
兄様って
凄く
あったかい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
75 / 105