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遥ー2ー
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一週間、それは俺にとって、とてつもなく長い時間だった。
会いに行っても、薬のせいで目を開けてくれない…
起きていても、俺が会えなかった。
会えないのはかなり堪えて、
本当に、食事ものどを通らなかった。
一週間後、『絶対安静』がとけたため、病室に足を運ぶと、
とわは俺をちらっとみた後、すぐさまそっぽを向いた。
「とわくん、こっち向いてよ」
「いや。眠いから寝る」
眠いって、さっき起きたのに?
主治医のことはちゃんと見るから、
明らかに俺を避けてた。
「とわくん、リハビリ始めてみようか。ずっと寝てたからさ」
「いや。って兄貴うざい」
とわは点滴のついている腕を必死に動かして枕を掴み、俺に投げつけた。
力が弱かったため痛くは無かったけど、
辛かった。
『お兄ちゃん』って言ってくれなかった。
とわが俺を傷つけようとした。
その事実が辛くてたまらなかった。
俺のせいだとはわかってるけど、
辛くてたまらない。
「とわくん、リハビリ…は?」
「いや。出てって…兄貴いや。出てって…はぁっ…はぁ」
「ちょっと遥くんは出てようか。それといやならリハビリはしないから…ね?落ち着こう?」
取り乱しているとわをなだめるように、
主治医は優しく声をかけ、俺を病室から追い出した。
本当何なんだよ。
俺のこと嫌いなの?
要らないの?
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