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「うわー。見事な点数ですね......」
「うるせえ!馬鹿にしてんだろっ!」
鈴原への想いはうやむやなまま、風邪も治り、テスト返却も今日で終了。
テーブルに並んでる数字はどれも平均点以下のものばかり。赤点はないにしても、いつもよりはるかに低い点数だった。
俺だって落ち込んでんのに、鈴原はわざとらしくため息をつく。
「はーぁ、先輩がテスト勉強したいっていうから、俺おとなしくしてたんですよ?」
「う......」
間違っても、勉強に集中できていなかったとは言えない。
そんな罪悪感から目をそらす。
「テストが終わったと思ったら、今度は先輩倒れちゃったし。心配したんですからね」
「......っ」
そらした目を覗きこんでくる鈴原にドキドキする。
風邪引いても不安な気持ちにならなかったのは初めてだった。
つきっきりで看病してくれた鈴原は、優しくて、あったかくて、すごく安心した。
それなのに、そんな気持ちは次の一言で崩される。
「俺、ご無沙汰すぎて頭おかしくなりそうです」
「......」
「てことで、シよう?」
「シよう?じゃねえよ!!お前はヤることしか頭にねえわけ!?」
俺の安心を返せ!危険極まりないじゃねえか!
「先輩は寂しくなかったの......?」
「ち、近いっ」
三人掛けソファの端と端に座っていたのに、じりじりと距離を詰められ、額と額がぶつかるまでに近づく。
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