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「先輩すみません。用事できたので帰ります」
電話を終えた鈴原が、こっちを振り向く。
その様子は、さっきよりは幾分穏やかになっていた。
近くに戻ってきて、俺の乱れたシャツを整えてくれる鈴原に問いかける。
「用事?」
「はい。それで、しばらく会えないと思います」
先週自分が言ったことなのに、鈴原の口から会えないと言われると不安な気持ちになった。
「......学校は?」
すがるような声を出してしまったせいで、鈴原は少しだけ目を見開いた。
そして、苦笑いをする。
「学校は行きますけど、こんなに溜まった状態で会ったら、絶対人前でぶち犯しちゃうと思うんで、なるべく会わないようにします」
「っ。馬鹿じゃねえの」
本当にこいつは頭がおかしい。
馬鹿なことを言うから、そっぽを向いてやると、頭をなでられる。
「拗ねてるの?かぁわいい」
「そんなんじゃねえ!」
「寂しくなったら、いつでも電話くれて良いですからね」
「誰がするか!!」
寂しくなるわけねえだろ。むしろ清々するわ!
「早く行けよっ」
「もー、先輩乱暴ですよー」
グイグイと玄関に行くように押すと、鈴原もそれに合わせて歩き始める。
玄関についたところで、触れるだけのキスをされる。
「じゃあね。陽先輩」
こうして会えない日々が始まった。
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