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宙に浮いた気持ち 3
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新藤はやっぱり料理がうまい。
昨日のマフィンもオムライスもめちゃくちゃウマかったし、今日の朝ごはんもちゃんとしたものだった。
つか、なぜ新藤の家にはクロワッサンが普通にあるんだ!?
しかも、これも手作りとかどんだけだよ!
俺の家にはないものばかりが、新藤の家にはあるような気がする。
「お前って料理うまいんだな」
「ありがとう」
柔らかく笑う新藤はなんとなく機嫌が良さそうで。
機嫌良さげついでに最近疑問に思っていることをぶつけてみることにする。
「……それからさ。……なんで、最近やけに甘いんだ?」
「ん? 何、それ」
「……前は俺に小言しか言わなかったのに、最近はなんで優しいんだよ」
すると、新藤はきょとんとした顔をしたが、すぐにクスクスと笑いだし軽くうつむくと微笑みながら返した。
「前はそうでも言わなければ、君と話す機会なんてなかったからね。今はもう、そんなことしなくてもこうして話せるだろ?」
「そんなことのためにいろいろ言ってきていたのか!?」
「君は校則違反の宝庫だからね。ネタには困らなかったよ」
わけわかんねぇよ。
イラッとした俺は牛乳を一気に飲み干して席を立った。
「食ったから帰る」
すたすたと玄関に向かって歩き、リビングのドアを開けようとしたら後ろから伸びてきた腕に阻止された。
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