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夕焼けは媚薬 9
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新藤はクスッと笑うと俺の手をそっと撫でる。
「それに彼女とは校門を出て最初の角までしか一緒にいなかったから」
「どうして?」
「そういう約束だったから。なんでも彼女ストーカー被害に合ってるらしいよ? だから校門出て最初の角まで一緒に帰って欲しいって言われたから」
マ、マリエちゃんがストーカー被害!?
まじかよ! なんて俺が目を丸くさせながら真剣に聞いていると、また新藤はフフっと笑う。
「ストーカーとかは嘘だろうけどね」
サラッと流すように言った言葉に俺は驚いた。
「う、嘘!?」
「だってストーカー被害なのにどうして校門から1つ目の角までなのさ。単に彼女は僕と歩いているところをみんなに見せたいだけなんだよ。ま、僕もわざと千秋に見せたからお互い様かな」
「マ、マジかよ……」
女ってわからねぇ。つか、ちょっと怖ぇ。
新藤もわかんねぇんだけど……。
すると新藤は俺の頬を軽く撫でた。
「もうそんなことしないから安心して。でも、嫉妬する千秋も可愛いからなぁ。誘惑にかられそうだね」
「ば、ばかやろう。可愛いとか言うな」
にっこり微笑むのは反則だと思う。
新藤は目を細めながら、俺の髪を撫でた。
「千秋……好きだよ」
胸が張り裂けそうなその言葉を聞くと、甘い新藤のキスが降ってくる。
一瞬、体が強張ったが、触れた唇の隙間から侵入してくる舌を、俺も抵抗することなく受け入れた。
すると、どうしてだろう。
ヤバいくらい、気持ちいい……。
「……っふぁ…んっ……っ」
意識ががトロンとしてくるくらい、頭の中が新藤でいっぱいになる。
自分も好きだと確信するとこんなにもキスって変わるのか。
何もかも初めてのことだから、なすがまま新藤にしがみつく。
話をしなかったのはほんの数日なのに、何年も離れていたみたいに俺たちは貪るようにキスをした。
どうしよう。なんだ、これ。
好きで好きでたまらない。
そんな気持ちが溢れてきてしまう。
キスしたら余計にそう思う。
唇が離れると、ツーっと糸を引く唾液が垂れてなんかエロくて、
目を合わせるのが無性に恥ずかしくなって、思わず横を向いてしまった。
すると、あるものが目に入った。
いや、そこにあったのを思い出したんだ。
それは、俺のシャツ……。
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