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背中合わせ 3
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そして、何か言葉を吐き捨てながらカナはその場を去っていく。
俺はというと一気にさっきのイライラはどこかへ消え去り呆然としながら修平の後ろを歩いていた。
これって多分、修羅場ってやつなんだろうけど。
まだ学校の近くだし、周りに人はいなかったけどあんなこと言って誰かに聞かれたら大変なのに、でも同じことを俺も思ってて……。
わぁーもう頭の中ぐちゃぐちゃしてきた。
正直、嬉しくて……でも恥ずかしいから、どぎまぎして修平を追い越すように早足で歩く。
「巻き込んでごめん……」
背後から修平が呟いた。
別にびっくりしたけど、それよりも修平の言ったことのが胸に残っててジンジン熱い。
嬉しい。
吃驚した。
照れる。
気恥ずかしい。
でも、嬉しい。
いろんな感情がぐるぐる回って、いつの間にか俺の頬は熱くなっていた。
立ち止まって振り返る。でも、面と向かうのはやっぱり恥ずかしくて少し俯きながら視線だけをそっと修平に向けた。
「修平……お、俺もだから」
「なにが?」
「何がって……俺も、修平にしか勃たないから」
俺も同じこと考えてたんだって伝えたくて言ってしまったけど、言ってから妙に恥ずかしくなる。
でも夕日を背にした修平の嬉しそうな笑顔をみて俺は心底幸せで、幸せすぎて怖いくらいに胸がキュンとしたんだ。
俺は乙女かっ! って心の中で思ったけど。
それくらい修平にハマってるんだなって思った。
俺、めちゃくちゃ恋愛にのめり込んでるんだと思う。
だから、もし修平が俺の前から消えるようなことがあったら……。
俺の視界は一気に真っ黒になると思う。
って、また乙女か! って自分の思考に心の中でツッコんだけど。
今日はやけに感傷的思考だよな。
俺どうかしてるかも。夕日効果か? 夕日効果なのか⁉︎
なんて、バカみたいなこと考えつつその日は、遠回りしながら修平とふたりゆっくりと家に帰ることにした。
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