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編集長から、危ないから軍手を付けて作業をしろと言われた。
最初は意味がわからなかったがすぐにその理由に気付く。
「うわ、…まただ。」
封筒の糊付けされた所に剃刀やカッターの刃が貼られている。
普通に開けたら指が切れるようになってるんだ。
…嫌がらせ。
今まで、直接的に藍川さんへこれが伝わっていなかったのは誰かがこの役をしていたから?
次々と封筒を開けて、分別していく。
3分の2は好意的なものだが残りは中傷的なものや嫌がらせのようなものばかりだ。
封筒を見終わったところで次は箱等のプレゼントへ移る。
「…ボールペン、メモ用紙…皿?」
筆記用具はともかく、とにかく皿や食器が多い。
そういえば家で本人も
"とにかく貰い物のお皿が多くて…"
って言ってたっけ。
箱を開けて中身を確認しながらふと思い出した。
少し前テレビで
"お皿をすぐ落として割っちゃうんです。だから最近は紙皿と紙コップで過ごしてて…割れにくくて可愛い食器があったら教えてください。"
とかなんとか言っていた気がする。
そのおかげで皆こぞって食器を送ってきているらしい。
…そのファンの気持ちは痛いほどわかる。
大きめの箱の中身は大半食器で、次は小さめの物に映る。
こっちは大体は文房具だ。
次はこれ、と持ち上げたところで1つ異様に軽いものがあった。
「ん…?……っ、なんだこれ…」
入ってたのは使用済みのコンドームと短い髪の毛。
…悪意のある行為だ。
いや、もしかすると熱血的なファンの行動かもしれない。
こういうのは一つだけじゃなくて何個も出てきた。
もし、本人がこんなことを知ったら。
「…また、悲しそうに…笑うんだろうな。」
箱を潰してゴミ箱に投げ入れながら大きくため息をつく。
…あぁ。
こんなことをしている暇があったら
少しでも貴方の傍にいたいのに。
机の上に散らばったファンレターを見ながら、ふと思いついた。
そうだ。
これは全部、藍川さんの元へ行くんだ。
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