アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
思い
-
「本当に反省してる?」
「…してる」
「じゃあ、何がいけなかった?」
「…全部」
「投げやりにならないの」
もー。って頬を摘まれる
「本当に分からない?」
「…体でお金を稼いだ」
「それの、どこがいけなかったか分かってる?」
「…ならしてから、挿れなかったから?」
「…あのさ。
そういう事を言って欲しいわけじゃないんだけど」
自分の前髪をくしゃ。と掴む
それを見て何がいけなかったんだろうと焦った。
体を売ること自体が悪いんじゃなくて、それで俺がどうにかなってることが悪い…?俺はどうなってる?
「公園で会ったとき、かなり動揺してたよね。手も震えてた」
「…」
「それはどうして?」
「…痛、くて…」
「うん、それから?」
「…痛くて、怖くて…」
「ほら、怖いの我慢してたよね?」
ぐい。と引き寄せられて「そこに気づいてほしい」って言われた
「体を売ることで寂しさを紛らわせたり、ただ気持ちよくなれる人もいる。
けど、結はそうじゃない。そういう事が苦手なの。…自分で一番わかってるよね?」
「…俺は…別に」
「ほんとに思ってること、口に出して言ってごらん。整理できるから」
抱き寄せられているせいで顔は見えない。
俺の顔も、きっと見えていない。
「………気持ち悪かった」
ぼそ。と一言口を開いた
「……縫う、とか言われた。嫌だし、怖いし…息できないし…っ」
嫌だった。と、今更になって鈴の胸元を叩いて主張する
「だって、バカにされたと思って…」
なんの脈略も無く昨日の動物園で誘われたときの話題から挿入のこと、血の味のこと、色んなことを単語で話していく
「公園…人、いっぱい居るし…座れないし…っ」
話が飛びすぎていて自分でもどのときのことを話しているのか分からなくなる。
それでも、頭に浮かんできた映像をそのまま口に出して、手では鈴を叩いたり服を引っ張ったり、本当にただの八つ当たりを繰り返す。
「……っ、ぐすっ…俺っ」
頭がごちゃごちゃになってくると強めに抱きしめられた
「…泣いていいから」
その声を聞いた瞬間、目元が熱くなった
「泣いて、ない…っ」
「うん」
そうは言っても泣いているのはバレているようで、落ち着かせるように背中を撫でてくれた
「…怖かったね」
耳元に僅かに響いたその声。
肯定も否定もできなくて、ただ鈴の胸に顔を埋めて涙が止まるのを待つことしかできなかった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
237 / 427