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.(後半玖音side)
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『好き』
その言葉が漏れそうになった瞬間ぐっと口を手で押さえられた。
「それ以上言わないで」
苦しそうに俯いて、目も合わせずにそう言われた。
「……」
言わせてすらもくれなかった。
涙がじわっと溢れる。
きっと俺が何を言おうとしたのかもわかってる。
つまりはそれが答え。
…ああ…やっぱり俺の気持ちは玖音にとって重荷になってしまう。
よかった…言う前に止めてくれて。
もし言ってしまったら…きっともう触れることすら許されない。
事実上振られたのに頭は冷静できゅっと口にやられた手を握る。
びくって玖音が震えて俺を見た。
ゆっくり手をとって出来るだけいつも通り振る舞う。
「…じゃあ…キスして、溢れないように塞いで…?」
うまく笑えてたかな…
甘える時みたいにこてっと首を傾げて伝える。
ぐっと何かを堪えた顔をして、深い口付けをくれた。
ぎゅうっと手を握られる力が強くなる。
そのまままた奥を突かれ始めた。
「っん…ん…ぁ!…んぅ…ッ」
指を絡ませてキスしながらするなんて恋人みたい…
そんなことを考えて笑ってしまった。
せめてこの時だけは、そんな風に想ってもいいよね?
「あ…っふ…ぁ!…んっ、玖音、…とするの…ぁッ、…すき…」
『君とのセックスが好き』
それ位伝えるのは許して。
一瞬動きが止まって俺を見つめる。
「……僕も。和くんとするの好きだよ」
そう言ってまたキスをされた。
それだけでふわふわして眠くなる。
愛おしい体温を感じながら、
眠気に任せて意識を手放した。
「……はぁ…」
一体何回したんだろう
溜まってたのもあったし、あんな顔されるから止まらなくなって…
もう飛んで意識を無くしてる和くんの中から引き抜くとドロドロ自分の吐き出したモノが溢れていく。
それを見ると
和くんは自分のものだって思ってしまう。
誰にもあんな顔見せたくない。閉じ込めて僕だけのものにしたい。ずっとそばにいて欲しい…
「……オーナーの言う通りじゃん」
隣で眠る和くんを見て
さっき泣きながら言っていたことを思い出した。
『…俺…玖音のことが…っ』
その先は聞かなかった。
怖くて聞けなかった…
聞いてしまったらきっと何もかも全て忘れて、
全部欲しいって想いが爆発してしまう。
けど…
『どうしてこんな目にあわなきゃいけないの…っ」
『俺の人生めちゃくちゃにしたんだ、お前の大事なもの全部壊してやるよ』
「……っ…」
悲痛な叫びと悪魔の嘲笑う声が頭に残ってる。
僕に誰かとなんて資格なんてない、そう言われてるみたいだ。
…こんな話和くんにしたくない。
こんなもの、一緒に背負わせたくない。
「…ん、う…」
「っ!」
ぎゅっと手が握られてびっくりして和くんを見る。
…また寝ぼけてる?
「…ぉん…、…そば、いて…」
寝てるのに。
無意識にそんなことを言う彼にぎゅうっと心が締め付けられる。
あれ以来誰かを好きになるなんて無かったのに。
なんで今更…
「……ほんと勘弁して…」
堪らなくなって和くんの首筋に痕を残す。
その日、
横で涙を浮かべながら寝てる和くんの頭を撫でることしか出来なかった。
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