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【2日目】努力と才能と。
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「…ぅ…んん…」
眩しい…
窓から射す朝日が眩しくて目を細める。
首を動かして辺りを見渡すとちゃんと浴衣を着せられてていつものように後ろからぎゅっと抱きしめられていた。
「…くおん…?」
ぺちぺちと軽く頬を続くけどぐっすり眠ってる。
自然と頬が緩んだ。
こうやって見るとなんか幼いんだよなあ…
普段大人っぽくて男っぽくてかっこいいから、こういう無防備な姿を見れる数少ないうちの一人に入れることが嬉しい。
玖音の腕の中に正面から顔を埋める。
温かい…
「ん…、…ふぁ、おはよ…」
「あ…おはよう」
動いたから起きてしまったのか眠そうに欠伸をして俺を抱き直した。
寝起きの玖音は幼い。
苦しいくらい抱きしめられて身動ぐ。
「…苦しい」
「んー…」
適当に返事をして全く離す気配もないから仕方なくそのまま抱かれることにした。
「…あ、そうだ」
しばらくそうしてたけど何かを思い出して玖音が口を開いた。
「近くにスキー場あるから送迎バス乗って行けるってパンフレットに書いてあったけど、何も予定決めてなかったし行く?」
「え、まじで?」
「せっかくだし外にも遊びに行きたいでしょ」
ふふっと笑って身体を起こす。
運動好きな俺はめちゃくちゃ楽しみで目を輝かせた。
ウィンタースポーツなんてしばらくしてなかったからテンションが上がる。
「行きたい!」
「ん。じゃあ行こうか」
布団から出て適当な服に着替えて、割と朝早く目覚めたから早めのバスで向かう事が出来てスキー場に向かった。
太陽が出て晴れてて雪質も良くて滑りやすそうだったからレンタル場でスキーウエアとスノーボードを借りた。
スノボやるの二年ぶりくらいだけど滑れるかな…
「玖音はスキー?スノボ?」
「じゃあスノボ。やった事ないけど」
「俺もそんなに上手いわけじゃないけど教えるから一緒に滑ろ」
ウエアを着てゲレンデに繰り出す。
年末は混むらしく結構人で溢れてて、最初だしリフトには乗らないで歩いて登れる坂から始める。
「じゃあ…まず座って、板つけて」
「ん、しょ…」
「つま先側のエッヂ掴んで雪押して立ち上がる」
俺が初めてボードした時突っかかったのがここだった。
慣れるまでは立ち上がることすら難しく感じてた。
自分でも運動神経はいい方だって思ってたから初めての時は調子狂ったな…
玖音初めてって言ったけど割となんでも器用に熟す奴だからきっとすぐ覚える。
って思ってたんだけど…
「わっ」
バランスを崩した玖音がズテン!!と前に倒れて雪が舞う。
…あれ…
雪の上に座り込んで苦笑いを浮かべる。
まぁ確かに玖音が運動系かって聞かれたらそうじゃないって思ってたけど…さっきからまともに滑れてないぞ…
完璧に見えて、服に関心なかったりスポーツ苦手だったり、ちょっとギャップが面白いかも
くすくす笑ってたらむっと眉を寄せて見上げられた。
「何で笑ってるの」
「あ、ごめん…なんか可愛いなって」
別にバカにしてる訳じゃなくて、ただそういう一面を知れるのが嬉しくて顔がニヤけただけ。
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