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(いただきます)
三角のてっぺんにかじりついた瞬間、ふわっと鼻へ抜けた香りは幸福でしかなかった。
首すじのあたりが一斉にざわめいたのに、自分ではどうしてそうなったのか分からない。
ただ──。
「わっ、うま……!」
思わず声にしてしまった恥ずかしさが数秒遅れで体温をあげる。
(マジで、うまいな……)
お世辞でなく、言わされたわけでもなく、心の底からそう思った。細胞一つ一つが歓喜に揺れて、命が続いていくことに感謝していた。
大げさではなく、静かに確信した。
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