アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
デート予行にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
デート予行
-
それから、先輩と僕は昼休みと部活終わりの帰り道を毎日一緒に過ごしている。
先輩と当たり前のようにしゃべって、笑って、暴言や暴力とは無縁の世界で、今僕は生きている。
あの教室内での出来事が、まるで映画のフィクションのように感じられる。
立山先輩と明日何話そうとか考えていたら、学校に行くのが楽しみにすらなってきていた。先輩はそれくらい、僕の学校生活を大きく変えてくれた。
そして、先輩と付き合ってから1週間が経った頃。
「なあ郡山」
「はい、なんですか?」
おにぎりを頬張りながら先輩の方を見つめる。
先輩は拳をグーにして、少し緊張しているかのように見えた。
「今週の土曜、午前練だよな」
「えっ、そ、そうですね。確か午前練でした」
「午後は暇か?」
先輩は何を言いたいんだろう。とりあえず思い当たる用事もないので首を縦に振る。
「それなら、帰りに俺ん家こい」
「え?」
「だからっ!デートだよデート。デートも練習しなきゃなんねぇだろ」
「あっ、なるほど」
なるほど、なんて言いながら胸の内はすごくドキドキしていた。
そっかぁ、デートか。
目の前にいるこの人は「友達」ではなく「恋人」なんだということを、たったの3文字で再認識させられる。
って言っても、今まで恋人らしいことなんて告白練習くらいしかしてこなかったけど。
それと、本番が女の子相手だと想像すると、初デートで家に呼ぶって少し大胆すぎやしませんか、先輩?
そんな僕の視線に気がついたのか、先輩は弁解しはじめた。
「別になんもしねぇよ。安心しろ」
そう言って、僕の頭をぽんっと叩く。
この力加減と先輩の大きな手の感触が結構好きで、こうしてもらえると安心する。
先輩の手は、すごく優しい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 97