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俺たちに射す斜陽〜むつ〜回想2マドレーヌ
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むつ「コレどうした?」
昼休みの屋上。
ご飯が食べ終わると、修二がマドレーヌの入った可愛い包装の袋を配り出した。
修二「あのね、ほら、今度兄貴の3号店でね、出す商品の一つなんだけどね、3号店のスタッフの女の子達と料理長の夏さん達が店で手作りで出すんだ、それで昨日研修があって、女の子達と夏さんが作ってね、それで…むつ甘いの好きじゃん、食べるかなぁと思って、美味しんだよ、昨日夏さん作ったの食べたけど、やっぱ女の人は料理美味いよね」
だからなんだ?!
女に囲まれて楽しかったって話かよ?
お前が女に手作りで貰ったものなんか持ってきて、俺に食わそうってぇのか?。
嬉しそうに笑いやがって
ふざけんな!!
華南「食べていい?」
修二「食べて食べて」
修二がニコニコ笑って華南にマドレーヌを進め、華南は早速袋を開けて、口に放り込む。
透明の袋に茶色のリボン。
いかにもな感じの可愛いラッピングに腹が立って仕方が無い。
誰だが分からない女が修二にプレゼントしたもの。
修二には嫉妬心が無いらしい、俺と雷太の接点をわざわざ作り、隣にいても何の反応もない。
『むつには、死んでも言わない』
それどころか、心の中をさらそうとはしない。修二は、修二は…
つよし『仲違いしたら台無しですよ』
チッ…そんなことは分かってる。
むつ「……俺、いらない」
俺の低い声に修二が一瞬固まった。
俺の機嫌を伺うみたいに覗き込む。
前はそんなことしなかった。
俺がどんなに怒っても、声を荒げても、お前だけは俺にビビったり、ご機嫌伺ったりはしなかった…
なのに今は…
修二「あ…むつ?」
なんだそのビビリ顏…
むつ「俺、先帰るから」
駄目だ、これ以上ここにいたら、口に出しちまう。早く移動しよう。
俺は足早に屋上を後にした。
俺は一人でいたかった、だがなぜか吉良さんがくっついてきた。
吉良「なんだぁ?、上手く行ってないのか?」
むつ「普通ですよ普通」
吉良「なぁ、俺にしとけば?」
むつ「キモいっす」
吉良「だって喧嘩ばっかじゃん君達」
むつ「喧嘩じゃねーし」
吉良「ふーん」
機嫌が悪いの分かっててわざわざ絡んで来やがって、まじ1人になりたい。
むつ「…チッ、めんどくせえ」
吉良「イライラするなら、甘いもの食べな、ほい」
むつ「ムグ!」
吉良さんは、無理やり俺の口の中に、もさっとした楕円状の物を突っ込んで来た。口の中にほんのり苦味と香ばしさと甘さがひろがり、食べものだと分かって、それをモグモグ食べた。
…うっま、…ってかコレ、少し焦げてないか?一体、何食わされたんだ俺?
全部を飲み込んで、吉良さんの手にしてるものを見てギョッとした。
むつ「ゲッ!さっきのマドレーヌ!」
吉良「美味しいだろう?」
細い目がなくなるほど微笑む吉良さん、絶対嫌がらせだ!
むつ「……マズイ」
吉良「そう?」
むつ「…焦げてるし」
吉良「じゃ、いらない?」
むつ「いらねぇよ!!」
俺はふけるつもりだったが、吉良さんが着いて回るから、仕方なく教室へ逃げ込むと、吉良さんは教室までは入ってこず。プレゼントだと言ってまたエロテク教材のエロDVDをくれた。
しかし、もっとうるさいのが教室にいた。
克哉「おっ帰りぃー、早いね。なぁなぁ、マドレーヌ食った?」
むつ「お前も貰ったのかよ…」
修二のやつ配って回ってるのか?自分で喰わないなら貰わなきゃいいのに。それともモテ自慢か?
克哉「うわー、怒ってる!嫉妬?嫉妬?はは、でも、俺のはおこぼれっていうか、味見でひとつっきゃ食べてないよ」
むつ「そうかよ」
克哉「怒るなよ、焦がしちゃったから味が心配だったんだって、超真剣な顔してビビってたよ、でもうまかったよな?」
むつ「あーそーだな」
俺は、克哉の話を右から左へ受け流していた。だから、危なく聞き逃すところだった。
克哉「はは、修二ってお菓子まで焼けるんだな」
むつ「あーそーだな」
・・・・・。
むつ「は?」
俺は今、絶対マヌケな顔をしている。
克哉「え?お菓子、貰わなかった?」
むつ「…今なんつった?」
克哉「え?お菓子もらわ…」
むつ「の前!」
お決まりのくだらねぇーやり取りはウンザリだ。
克哉「修二ってお菓子焼けるんだなぁ?」
むつ「修二が作ったのか?」
克哉「そう言ってた…よ」
克哉は苛立つ俺を不思議に見つめ、俺の怒りはついに限界を超えて自分の机を殴りつけた。
ーバン!!
むつ「…なんでだ!!」
なんでなんだ!!
そりゃ、食べないって言ったの俺だけど!!修二が作ったって知ってたら絶対食ったし!!思ってることを言わないってここまで来るとどうしようもない!いや、勘違いしたの俺だけど…でもさ…。いや!言えよ!!
セックスして付き合えるようになって、修二の気持ちも聞いたのに、どんどん前より距離を感じることが増える…。
修二の馬鹿!アホ!嘘つき!
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