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番外編3ひと夜咲く純白の花の願い
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マキは、矢田と寝ている百目鬼と一緒にタクシーに乗り込んだ。
事務所兼自宅だという三階建ての建物の前にタクシーを止め、矢田が百目鬼を引っ張り出そうとしたが、一人ではどうにもふらつく。
マキは手伝いますと言って、百目鬼の体に触れた。
タバコの匂いの濃い、百目鬼の懐かしい匂い。
近くで見る見慣れない黒髪の百目鬼は、疲れ切った顔色とクマが目立つ。
百目鬼さんだ…。
1年半ぶりの本物の百目鬼さんだ…。
時々夢に見てたけど。
ちょっと老けてる…ふふ
胸がきゅぅっと締め付けられて切なくなる。こんなに会いたかったなんて、自分でもびっくりだ…。
百目鬼さん…
起きてたら、きっと怒鳴って、触れさせてはもらえなかったよね…。
マキが心の中で語りかけたが、百目鬼に聞こえるわけもなく。
マキと矢田は階段を登り、三階の百目鬼の自宅にたどり着いた。
なんとかベッドに百目鬼を寝かせることができ、一息つく。
矢田「水を持ってくるんで、百目鬼さんを見ててもらっていいですか?」
マキ「いいですよ」
ニコッとマキが微笑むと、顔を赤らめた矢田が背筋を伸ばし、足早に寝室を離れた。
薄暗い寝室で二人きり。
マキは、百目鬼の顔を眺め、眉間に寄ったシワにそっと触れた。シワを指で優しく伸ばしてみる。
久々の百目鬼は、疲れ切っていて、またしてもボロボロ。
精神状態は分からないが、良くない働き方をしているのは見れば分かる。
百目鬼さん、まだ砂漠にいるの?
なんか嫌なことでもあった?
メイちゃんとうまくいってないの?
…それとも…
…まだ、修二が忘れられない?
マキ「百目鬼さん、上着脱ごう」
百目鬼「……」
少し水滴のついた背広を脱がせてあげようと、前のボタンを外す。
百目鬼さん酒に弱いのかな?でも、菫ママが3日寝てなくて疲れてるって言ってた…。
百目鬼の重い腕を浮かして袖から抜こうとした。
その時、
百目鬼がマキの手をガシッと掴んだ。
痛ッ!
百目鬼「…また…来たのか…」
え?また?
百目鬼さん視点が合ってない。
寝ぼけて誰かと間違えてる?
百目鬼「…誘ったのはお前だからな!」
急に体制を入れ替えられ、マキはベッドに押さえつけられた。百目鬼の手がマキの胸ぐらを掴んで着ていた服のボタンを引きちぎった。
ービッ!
ボタンが弾け飛び、マキは目を見開いた。
ッ!?
ヤバイ!この人キレてる!
理性が飛んでる、しかも夢だと思ってるから、何をしでかすか分からない。
マキ「まっ!…痛ッ…ど、百目鬼さ…」
覆いかぶさる視点の合わない百目鬼は、獰猛な猛獣と化していて、マキはゾッと身の危険を感じた。抵抗したが力で敵わない上に、乱暴に押さえつけられて左腕の傷が痛む、これでは逃げることは出来ない。
片手で腕をひとまとめにされ、空いてる手が服を脱がしにかかる、百目鬼が肌けた胸にかぶりついてきた。
マキ「ぁあッ!」
百目鬼「淫乱」
歯を立てられ、身の危険を感じていても、淫乱な体はすぐに反応する。
百目鬼がマキを認識してる様子はない。
誰だと思ってる?
修二?
メイちゃん?
怪我した今の自分では、到底敵わないと悟ったマキは、強姦まがいのこの状況で体の力を抜いた。抗ったところで敵わないし、何より、乱暴な愛撫でも、百目鬼の体温に体は震える程喜んでる。
マキは最悪の事態を覚悟して、深呼吸し、静かな甘えた声で、百目鬼に話しかけた。
マキ「百目鬼さん…待って、逃げないから…ッ…手を緩めて…、あと、準備しなきゃ、入んないよ」
百目鬼「黙れ」
冷たく言われ、顎を掴まれた。
しかし、行動と反して、酷く優い唇が重なった。
マキ「んぅ」
このキスは知ってる。
好きな人にするキスだ…
媚薬を飲んだ百目鬼さんが、僕を好きだと錯覚した時の…優しいキス…
誰とキスしてるの?
誰とシてるつもりなの?
お酒の匂いのする唇から、ヌルッと舌がマキの唇を割って舌を絡めとる、アルコールとタバコの苦味が広る。
なのに、酷く甘く感じて胸が震える。
勘違いされていると分かっていても、最後のキスだと思うと止められない…
嬉しい…
百目鬼さん…百目鬼さん…
ーカタン!
夢中でキスしていたら、わずかな物音に、マキは視線を向ける。
寝室の扉の隙間から、矢田が口元を押さえて、呆然と立ちつくしていた。
無理もない、暗がりの寝室で、先ほど拾った子と自分の上司が、上半身裸でキスしていたら、誰でも驚く。
パニック状況の矢田が、この状況をどう思っているか分からない。だがマキは、破かれた服から無理やりだと思われないように、大袈裟に喘いだ。
マキ「アッ!…百目鬼さん…もっと!」
艶かしく体をくねらせて、酷く甘く喘ぐ。
矢田は、ワタワタして、扉をそっと閉めていなくなった。
ホッとしたのも束の間。
百目鬼がスカートの中に手を突っ込み、パンツを脱がせにかかる。
マキ「あッ!ど、百目鬼さん!ローション使って、ね」
百目鬼「なんだ、いつもは中にローション仕込んでるくせに」
…?
誰のこと?
修二でもメイちゃんでもない?
メイちゃんは、まだ未経験のハズ
修二はローション仕込んで強請るキャラじゃない…けど…。そういうプレイしたことあるのかな?
あっ、それとも今の相手がそういう淫乱系?
百目鬼はパンツを破るんじゃないかくらいの勢いで引き下げる…
相手が誰か分からなきゃ、なりきりようがないが、ここは、1回落ち着こうと考えた。
なるべく刺激しないように、媚びるような声を使った。
マキ「百目鬼さん…抵抗しないから…、ゆっくりシて…」
百目鬼「うるさい、その声で喋るな!」
逆撫でしたみたいで、一層強く腕を握りしめられ、さすがの痛みに身をよじる。
マキ「い¨ッッ…」
だめだ…、なだめようと思ったけど、今の僕じゃ手に負えない…これはもう覚悟した方が…いいかも……。
ああ…普段の行いが悪いからこうなるんだろうな…。少し反省しよう。
百目鬼が慣らしもせず突っ込んでくるんだ、と、体が強張るのをなんとか力を抜いて緩めようと努力した。
百目鬼は、マキをベッドに繋いで縛り上げ、目隠しをする。
大きな手が、仰向けのマキの両足を開かせて、持ち上げた。
大丈夫、昨日は桜木さんとシたし、今朝はいつも通り洗ってほぐした…、そこから大分経ってるけど…久々ってわけじゃないし、こうゆう時の痛みの逃がし方は身に染みついてる。
こんな時、自分がビッチで良かったとちょっと思う、もしそうでなかったら、きっと血の海だ。目も当てられない。
僕ってポジティブ。
マキがいよいよだと息を吐くと、冷たいものがビシャっと下半身にかかった。
ッ!?何?
ローション?
目隠しで見えなくて、何やらヌルヌルと数回撫でつけられ、すぐに指が入ってきた。
マキ「んっ、んん…んぅ…」
ローション使ってくれたことにホッとして、でも必死で後ろを緩める。いつ突っ込んでくるか分からない…。
なんせ百目鬼のものはかなり太い、見えない視界のせいか、想像で体が強張る。
マキ「痛ッ」
しかも、噛みグセのある百目鬼は、あちこち噛みついては歯型をつけ、優しく舐めあげる。まるでキスマークのように歯型でマーキングして。マキを誰だと思ってるのかは分からないが、百目鬼はブツブツと攻め立てるような言葉を言っているが、ほとんど聞き取れない…
乱暴に中を指でかき回され、力を抜きたいのに、腕が痛んで体が強張る。
撫でる百目鬼の手が、マキの緊張を感じ取る。百目鬼は、苛立ち、さらに指を増やした。
百目鬼「クソっ…、なんで嫌がる…」
目の前の獰猛な猛獣が殺気立ちながら傷ついてる気がして、マキは抵抗する気は無かった。
指が3本入ったところで、我慢できなくなった百目鬼が、凶器になり得る昂りを押し当ててきた。
その生の感触にマキは慌てた。
マキ「百目鬼さん、ゴム…」
百目鬼「うるさい黙れ」
マキ「んう¨ッ!!…」
質量のある大きいものをねじ込まれ、声を上げそうになるのを必死に耐えた。
声を出すなと言われた…。
百目鬼「チッ、相変わらず美味しそうに飲み込みやがって…クソッ…」
容赦ない打ち付けは、何かを振り払うようで…。
抱きしめて背中を撫でてあげたかったが、拘束された腕ではそれは叶わない。
荒々しく突き上げられ、痛みはあっても、苦痛じゃない、淫乱な体は快感だけを掴む。
ただ…ほんの少し…
胸が痛むだけ…
あの日、惚れ薬を飲み合って触れた体は、あんなに幸せに満ちたものだったのに、今は刃物のようにギラギラとしていて、一振りするたびに、痛む。しかし、振り下ろした自らの傷をもえぐってるようだった。
仕方のない獰猛な猛獣さんだな…、せっかく気持ちよくなる方法教えてあげたのに…まだ、何かに傷ついてるの?…。
僕の体を貸してあげるから、好きなだけ貪ればいい、貪っておちついたら。
もう一度教えてあげる…、だから、そんなに傷ついた顔しないで、これくらいじゃ僕の体は壊れたりしない…。
やっぱり、ライオンの着ぐるみを着たティーカッププードルにしか見えない…
百目鬼さんは、気を失うまで何度も僕を貪った…
仰向けの僕の胸にの上に、静かに眠る百目鬼さん。
抱きしめて頭を撫でてあげたかった…
でも、拘束され、その資格のない僕には、そうすることはできなかった…
白んできた空が、もうすぐ朝だと知らせる。
あと少し…、もう少しだけ…、百目鬼さんのそばに居たい…
もう少しだけ…
僕の胸で眠ってて……
そのセックスに
あの日のような幸福感はなかった…
やっぱりあれは…
一夜の儚い夢…
あの花は、枯れたんだと思い知った…。
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