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百目鬼から見たマキ…
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電気の点いてない部屋は真っ暗で、外は暗闇、遠くに薄っすらある街の灯りと、降り注ぐような満天の星に囲まれて、部屋にはキスを繰り返す濡れた音が響き、熱い吐息を漏らしながら甘く絡みつく唇と柔らかな肌。
マキ「ん……んふ………ッ…めき…さ…」
甘い飴を味わうようにくちづけて、吸って舌を絡めていたら、マキが頬を赤らめて苦しそうに俺の胸を押した。
マキ「もぉう…溶ける…」
マキは上目遣いで物欲しそうにもじもじしながら唇を離したが、俺は離れない。
百目鬼「まだ溶けてない」
マキ「ッ…」
百目鬼「まだ俺を煽る元気があるなら、溶けるように下も舐めとくか」
マキ「やッ!やめてよ!」
百目鬼「そうか、やって欲しいのか」
お仕置きとばかりに股を開いて持ち上げたら、マキが慌てて足を閉じて体をひねって上へ逃げようとするから、すかさず引きずり戻した。
マキ「やっ!…あ!落ちる!!箱がベッドから落ちちゃうよ!」
暴れるから俺が渡した箱が転がってベッドの隙間に落ちそうになってた。
百目鬼「いらないのか?」
マキ「いる!いるよ!」
百目鬼「開けてみろ、俺はお仕置きを続ける」
マキ「は!?」
戸惑いで全くへらへら取り繕えないマキが可笑しくて可愛くて、ニヤリと笑いながら意地悪く腰骨を擽る。
マキはゾクゾクと身を震わせ、箱を握る手が上手く動かせない。
マキ(あぁッ!…もう勘弁してよ!!この人誰!!僕の知ってる可愛いティーカッププードルじゃないよぉ!)
マキが恨みがましく百目鬼を睨みつけると、百目鬼は悪代官みたいな顔してニヤつきながら、その瞳をギラリと光らせた。
マキ「百目鬼さん豹変し過ぎ!、何なの!箱開けらんないじゃん」
百目鬼「俺は元々こんなだぞ、思い立ったらすぐ行動する、後先考えないタイプだ、だから昔から色々失敗する」
意地悪く囁きながら、上に移動してマキの肩に舌を這わせて甘噛みすると、マキが擽ったそうに身をよじり、濡れた瞳で見上げるから、甘くくちづけた。
マキはその甘さに耐えられなくて、無理やりお酒を飲まされて酔ったみたいにクラクラして、バクバクいう心臓と火照る頬に余裕がなくなっていく。
そうして瞬きが増えるマキの表情は、年相応の子供の顔だ。
マキ「ッ…めき…さん…んぅ…キスし過ぎ、…箱が開けられないよぉ…」
百目鬼「ん?仕方ないな」
子猫をイジメたり甘やかしてるみたいな感覚でいた百目鬼だったが、そろそろ自分の理性も危ない。まともなうちに、プレゼントを渡した方が良いと、箱を開けるのを手伝った。
星明かりの下で、開けた箱の中身は…
マキ「綺麗…、腕時計」
それは、アンティークベースで、青いバングルのゴツめのデザイン。文字盤はキラキラ夜空のように輝く青石、文字が青白く光って暗闇でもしっかり時間がわかる。外枠は茶色いのアンティーク調のもの。
腕時計を箱から取り出すと、もう1本普通の時計の茶色いバンドが入ってた。
マキ「…凄く…高そう…」
百目鬼「なんだ、はしゃぐかと思ったら謙虚だな。腕貸せ、つけてやる。
これはバンドを着せ替えできる、バグルのは普段はのオシャレに合わせられるし普段は茶色いのバンドで普通の時計としても使えるやつだ」
マキ「…ど…めきさんが…選んだの?誰かのアドバイス?」
百目鬼「…俺が選んだ…気に入らなかったか?」
マキ「…ううん、凄く…素敵で…、あの…あのね…百目鬼さん…(腕時計って心理学の世界では………)」
腕時計をプレゼントされた意味を考えて胸が締め付けられた、だけど…百目鬼がそこまで深く考えて腕時計を選んだとは思えず、マキは口をつぐむ。
百目鬼はマキにバングルの腕時計をつけてやりながら、眉間にシワを寄せる。
百目鬼「なんだ…、言いかけてやめるな」
マキ「…………なんか、首輪みたい」
マキは可愛らしくそう言うのが精一杯。
本当は嬉しくて嬉しくて、声が震えそうなのを必死に我慢してる。一生分の幸せを使い切ったんじゃないかと思えるぐらい、夢のような時間だ。だから、腕に付けた時計も、それがまるで自分の所有者が百目鬼だと言われてるみたいで嬉しい。
嬉しすぎて溢れ出すものを抑えきれない…
これが首輪の代わりだったら…
そう考えると胸がいっぱいになる…
百目鬼「首輪はずっと付けられないだろ、また今度な」
マキ「…ふえ?」
百目鬼「お前手首細いな」
少し緩めのバングル時計は、マキの細い腕にその存在感を主張している。
マキ「………綺麗……百目鬼さん、…ありがとう…ございます」
マキは自分の右腕に付けた腕時計を天窓から見える星空にかざす。
マキの目尻が下がって嬉しそうに腕時計と星を見上げた。
百目鬼「マキ、おめでとう」
喜ぶと思ったその顔は、くしゃっと崩れて、マキが両手で顔を覆ってしまう。
マキ「ッ!!」
百目鬼「マキ…」
マキ「ッ……死ぬ……死んじゃいそう……」
マキの瞳から星がこぼれ落ちる…
いつか修二が言っていた、〝心臓が壊れちゃう〟ってこういうことかなぁ…
息ができないほどの苦しさ…
でもそれは…
悲しいからじゃない…
マキ「…好きで…死にそう……」
百目鬼「ッ‼︎‼︎」
ードッッ‼︎‼︎
百目鬼が思い描いた幸せそうに微笑む笑顔ではなかったが、ジュピター色の瞳からきらめく星が溢れ出す。
その切望する告白と綺麗な横顔は、一瞬にして檻を破壊する。
百目鬼「ッ…」
今は駄目だ!!
解き放たれた猛獣を理性で無理やり押さえ込む。
嬉しそうなマキをまだ見ていたい…
マキ「…今日は…ありがとう…。どう…めきさん…」
百目鬼「…!」
マキは感情的な自分の姿が恥ずかしくなって誤魔化すみたいに半分顔を隠しながら、えへっと無邪気に微笑む。
マキ「…大好きだよ」
!!!
照れ笑いの破壊力に、理性は崩壊した…
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