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(番外編)純愛♎︎狂愛4
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結局、怪しい人影は無く、待ち合わせ場所の中華料理の店に移動。
約束の30分程前に着き、姫香さんは化粧室へ。
姫香「ま、待たせてごめんね」
15分程で化粧室から戻ってきた姫香さんは、化粧を綺麗にし直していた。
可愛いいな。大好きな人の前で綺麗でいようとする人は、男も女も変わらない。恋するのに必死に努力してる。
僕は、実は年上の女の人がちょっと苦手…、でも、姫香さんみたいな真っ直ぐな人や、一生懸命な人は大好き。
マキ「お姉ちゃん、とっても綺麗で可愛いね♪」
姫香「えっ!ちょっ、やだ、からかわないでよ」
からかってない。
本当に綺麗で可愛らしい。
僕は片思いする哀しい瞳や、性癖に悩み恋することもできない人ばかりを見てきた。だから、眩しくて仕方がない。結婚という幸せに輝く瞳。好きな人に囲まれて生活する修二の瞳…。眩しくて綺麗で可愛らしくて……
羨ましい…
待ち合わせの時間5分前。姫香さんが人混みの中に彼を見てけて顔がほころび、遠慮がちに手を振る。
彼の姿を見つけた時の幸せそうで照れる顔は、彼女を一層可愛らしく見せた。
ああ、何度見ても素敵だ。恋する瞳が幸せに輝く瞬間。僕はそのお手伝いが出来るならなんでもやる。
僕の存在が役に立って、その人が幸福になるのを見ることが嬉しい。
早く…百目鬼さんのそういう顔が見たい。
百目鬼さんが幸せになるならなんだってする。
あの苦悩の表情は百目鬼さんには似合わない。
強く厳しいオスライオンみたいな顔の下には、仲間や大事な人を守りたい大事にしたいと大きな愛に溢れてる。
百目鬼さんが幸せそうに笑うなら、僕はなんだってする。
でも、叶うなら、その輝く瞳が写すのは、僕であってほしい……
……………………なんちゃって…
誰が聞いてるわけでもない心の中で、へらっと笑う。
僕は、あの瞳が輝けない秘密を知っている。
姫香「香織、紹介するね。こちら森代輝樹さん。
輝樹さん、この子が私の妹の香織」
ストーカーの犯人を突き止めるべく、男の僕が女装して姫香さんと行動するのを了承してくれた婚約者の森代輝樹(もりしろてるき)さん。
輝樹さんは、紹介された僕を見てとても驚いていた。
輝樹「は、初めまして…。凄い…どこからどう見ても…」
女の子に見える。と言おうとしたのが分かり、僕はすかさず言葉をかぶせる。
マキ「初めまして、私香織です!!輝樹さん超カッコイー♪♪お姉ちゃんなんで直ぐに紹介してくれなかったの!?超イケメンじゃん!メチャメチャ優しそうな人じゃん!超いい人捕まえたね!」
香織さんは、ミーハーな元気な子。それに従い褒め倒した。
輝樹さんを褒めたのに、姫香さんが真っ赤になっててれてる。
仕事終わりのスーツ姿。誠実で優しそうな男性照彦さんは、包むような瞳で姫香さんを見つめ愛おしそうに微笑んだ。
輝樹「ありがとう香織ちゃん、俺もこんなに可愛い妹ならもっと早く仲良くなりたかったよ。俺、男兄弟だから、妹が憧れだったんだ」
優しい笑顔。輝樹さんの人の良さがにじみ出てる。
この人ならきっと大丈夫。姫香さんを幸せにしてくれるに違いない。
和やかな食事会は、何事もなく終了。
結局、付けねらう人影は感じられなかった。
まぁ、1日で尻尾が掴めるなんて思ってないけど。
その日、事務所に戻り、経過を報告した。事務所には賢史さんもいて、収穫なしの結果に肩を落としていた。
僕の観察役はもう少し続け、この先どうするかといい話を交えて、その日はみんなで、菫ママのところに行った。
仕事の話しをしながらお酒を飲み、刑事な顔した真剣な表情の賢史さんと百目鬼さん。とても絵になる構図に見惚れる。
すると、百目鬼さんの携帯が鳴り、百目鬼さんが席を外した。
百目鬼さんが居なくなった途端、渋くてカッコイイ刑事の顔の賢史さんは消え、いやらしくニヤつくおっさんな賢史さんが僕を舐め回すように見た。
賢史「お前も酒飲めば?」
マキ「怒られちゃうもん」
賢史「会わない間に益々破滅的に色気が増してるな女王様。ついに神を跪かせたか?」
マキ「んふふふ♪賢史さんの勘もそろそろ老化が始まったかな?」
賢史「あいにく下半身同様ビンビンの現役なんだがな」
マキ「あは♪。の割りには浮いたお話し聞かないけど、勘は鋭いのに捕まえられないのかな?」
賢史「なんでんなこと知ってんだ。
女王様ウイスキーお代わり」
人をホステスみたいに扱って、空のグラスをアピールしてきた。僕はにっこり笑ってお代わりを注いであげる。
マキ「矢田さんですよ。噂の類はみーんな矢田さんが拡張させます」
僕が賢史さんにウイスキーを注いで渡すと、賢史さんはニヤニヤしながらウイスキーを持って、僕の飲んでたリンゴジュースに垂らして混ぜてきた。
賢史「まぁ、飲めよ。俺が注いだんだぞ」
マキ「僕を酔わせてどうしたいの?」
賢史「んー、百目鬼と付き合ってないなら、お持ち帰り希望だ。なんてな。百目鬼と何ともないなら一杯付き合えよ」
残念だけど、僕は酒に弱くない。
まぁ、酔って悪戯っぽくはなるけど…
お持ち帰りしたことはあっても、お持ち帰りされたことはないんだな♪。
リンゴジュースウイスキー割りを口につけようとしたその時。
頭上から地鳴りのような声が降ってきた。
百目鬼「マキ、お前は何歳だったっけか?」
マキ「えへ♪気分はピチピチの20歳♪」
百目鬼「アホ!実年齢だ!」
マキ「19」
百目鬼「だったら甘いジュース飲んどけ!これは没収だ!菫から新しいジュースを貰ってこい、ついでにつまみも」
ギロッと睨まれ、僕は「はーい♪」と軽く返事をして立ち上がったら、いきなり賢史さんに腕を引っ張られ、腕の中に倒れてしまった。
賢史「まぁーまぁー、神もいちいち俺から女王様を遠ざけるなよ、付き合ってないんだろ?」
百目鬼「付き合ってないが、先生様からの預かり物だ、離せ」
賢史「まったまた、マキちゃんこの半年で随分色っぽくなったよ?誰かとたっぷりエロエロセッスクしてんじゃないのか?」
僕の体をいやらしく触りながら腰に手を回し、賢史さんはニヤニヤ言うが、だんだん百目鬼さんの目がマジになって鈍い光を放つ。
賢史さんの腕なんか簡単に逃げられるけど、嫉妬してる百目鬼さんは僕にとってはうれしい反応。
賢史「なんで隠すわけ?ってか俺はてっきり2人はめでたくゴールインてな具合に、4月から同棲すんのかと思って楽しみにしてたのによ。せっかく邪魔してやろうと思ったのに、マキちゃん今1人暮らしなんだって!」
百目鬼「お前はそんなにゴシップ好きだったか?」
賢史「孤高の女王様に興味が出たって言ったろ?それに神には昔何度かMっ子紹介してやったろ?」
百目鬼「ッ!」
賢史「それとももう半同棲状態で隠れながらエッチしまくり?やっぱマキ様のテクは凄いんだろうな、経験豊富だもんな。毎晩大変だな」
百目鬼「馬鹿か、こんな奴と一緒になんか住めるか!」
…
賢史「とかなんとかな言ってぇー、お揃いのマグカッブとか、色違いの歯ブラシとか置いてんじゃないのか?今年に入って1度も家に上げてくれないじゃないか」
百目鬼さんの部屋に、僕のものなど1個も置いてない。あるのは、僕が百目鬼さんにプレゼントしたヌイグルミだけ…
百目鬼「賢史、いい加減にしろ。うざい」
賢史「チェッ…」
つまらなそうな賢史さんは、僕から手を離してくれた。そしてムスッとしてお酒を煽る。
マキ「…賢史さん、さみしいの?」
賢史「は?」
マキ「百目鬼さんが構ってくれないから…」
賢史さんは動揺の色が激しく。
百目鬼さんは気色悪いって顔してた。
百目鬼さんと賢史さんは、僕と出会った後から空気が悪い。僕が賢史さんにヤられそうになったのを百目鬼さんが今だに怒ってるからだ。
賢史「…あー、飲みすぎた、今日は帰るわ」
百目鬼「そうしろ、からみ酒じゃなきゃいつでも付き合ってやるよ、今お前、大変なんだって?」
賢史「……チェッ…」
賢史さんは振り向かずに手を振って帰っていく。
百目鬼さんは困ったようにため息ついてその背中を見送った。
…百目鬼さん、今日は怒ってもキレないなぁと思ったら、賢史さん、今職場で大変だったのか…。賢史さん、いつもに増してクダ巻いてたもんな…
ほら、百目鬼さんは優しくて、思いやりがある…
カッコイイのに、どうして自信が持てないのかな?
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