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(番外編)純愛>♎︎狂愛
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僕は、修二とむつの所に泊まることにした。
清史郎さんは渋ったらしいが、修二が話をつけた。僕はずっと泣いていたから、何を話してそうなったか分からない。
僕は修二やむつ君にくっついていつまでも泣いていた。だから、清史郎さんは、送り出さざるえなかったようだ。
帰りは、清史郎さんが車で僕たちを修二達の家まで連れて来てくれた。
清史郎さんは、最後まで心配そうにしていたけど、必ず毎日連絡すると約束し、僕を修二の家に預けてくれた。
僕の荷物は段ボール1つだけ、それ以外は清史郎さんに預けてある。
修二が僕に使っていいよと言ってくれたのは修二の部屋。大学の勉強に使ってる本と勉強机、僕があげたラ○センのポスターが貼ってあるシンプルで整頓された部屋。
そこに折りたたみのベッド。普段は使ってないらしい。
家について暫くして、修二は買い物に行った。僕も行きたかったけど、ウサギさんみたいに目が真っ赤で、とても外へ行ける状態じゃなかった。
修二「何か欲しいものとか食べたいものとかある?」
特に思いつかなかったので首を振ると、修二は僕の頭を優しく撫で、買い物に出たけていった。
むつ君と2人きり。
むつ君は、なんだか色々聞きたそうにしていたけど、修二に止められてるのか、何も言ってこない。
僕は僕であんな風に泣いた後だから、凄く恥ずかしい。
むつ君は、僕にお茶を入れてくれた。冷蔵庫に入ってた作り置きの麦茶。
暫く一緒に座ってたけど、なんかお互いソワソワする。
むつ「なぁ、マキ」
マキ「ん?」
むつ「テレビつける?」
マキ「ううん」
むつ「なんかお菓子食べる?」
マキ「ううん」
気を使ってくれるのはありがたいけど、むつ君らしくなくて、さらに落ち着かない。
すると、むつは突然思いついた。
むつ「そうだ!マッサージしてやろうか?!」
沈黙に耐えられないのか?それとも聞きたいことが聞けなくてもどかしいのか。むつはいいこと思いついたって感じにめっちゃ笑顔。
マキ「…」
むつ「な、な、そうしよう」
むつは、すっくと立ち上がり、何やらテキパキ動き出した。
僕、返事してないんだけどなぁ…
むつ「よし!マキ、風呂であったまってこいよ!」
マキ「ふえ?」
夕方のこんな時間にお風呂?…。
呆気に取られてる僕を促し、風呂であったまってからの方がマッサージは効果的、と僕をグイグイお風呂場へ押していく。
相変わらずの〝俺様強引むつ君〟。そう思ったけど、洗面所で、自分の顔を鏡で見て気がついた。泣き腫らした顔。酷い有様だった。
むつ君…そのためにお風呂進めてくれたのかな?
むつ君の優しさが、胸にジンと広がって、また泣きそうになった。
僕の涙腺、壊れちゃったのかな?…
むつ君の優しさに甘えてお風呂に入り、サッパリして出てきた僕。脱衣所には、僕のお泊り用に置いているスエットが出してあった。
それに着替え、濡れた髪をタオルで拭きながらリビングへ向かうと、リビングの隣の和室に、仕事着で準備万端のむつがいた。
むつ「いらっしゃいませー!。なんてな」
ニッと悪戯っぽく笑ったむつ。そのまま慣れた仕草で、僕を和室の布団に案内してくれた。
きっと、むつ君的には、何も見なかった振りとか出来なくて、なんかしてなきゃ落ち着かないんだろうけど。なんとか普通に振舞おうとしてくれるむつ君の優しさに、申し訳ないような擽ったいような感情がしてる。
むつ「ちゃんとあったまったか?」
マキ「うん」
むつ「…。うつ伏せで寝て」
湯上りの僕に、なんか言いたそうに眉を寄せたむつ君。だけど何も言わず、マッサージに入る。
うつ伏せに寝そベッタ僕の背中から腰まで軽く押しながら下がって、どこらへんが気になるか聞き、むつは腰あたりから揉み始めた。
むつのマッサージは、資格を取るために練習してる時から練習台になってげてたけど、実績を積み始めたむつのマッサージは、確実に前より上手くなってた。
マキ「気持ち〜♪」
むつ「力加減いつでも言えよ、調節するから」
マキ「うん、すっごく丁度いいよ♪」
むつは、嬉しそうに丁寧に丁寧にマッサージしてくれて、なんだか気持ちよすぎて天国にいるみたい。
むつ「お前って、見た目も細いけど、触るとさらに細いよな」
マキ「そう?結構筋肉ある方だよ」
むつ「まぁ、確かに、柔らかいイイ筋肉してる、っていうか、触った感触が女の体みたいだな、体のラインとか滑らかないい感じのラインだし」
むつは、肩甲骨から下がりながら、腰のことろまで来ると、緩いスエットから体のラインを示すように、両手でギュッとくびれを持った。
マキ「ふふ、むつ君それセクハラ」
むつ「えっ、マジ?キャサリンさんとか、菫ママの店の人たちは体のライン褒めると喜ぶんだぜ」
おかしいなぁ、と首をかしげ、マッサージの続きを始めるむつ。どうやら、菫ママのお姉様方に、営業トークを仕込まれてるよう。
むつは、短気で猪突猛進だけど、根は素直で決めたことはやり通すたちだから、この職業は案外向いてるのかも。マッサージは、修二と華南を癒すためって目的がはっきりしてるから、マッサージの技術を勉強することも、コミニケーションを取ることも、真面目に勉強を怠らない。
一途で真っ直ぐ突き進む、そんなむつ君は、とってもかっこいいなぁと思う。
修二が羨ましい…
むつ「はい、次は仰向け、足やるからちょっと起きて壁に寄っかかってて」
そう言いながら、サッと枕を壁に立てかけて、背もたれを作ってくれた。
なんだか、むつがイケメンに見えて来た。
と、思ったんだけど…
マキ「痛ッ!イタタタ!」
むつ「ハハッ、触ってるだけだぜ、そんな痛い?」
マキ「嘘だぁ!今グリグリしたでしょう!無理やりやらないでよぉ〜」
むつ「失礼な、やさーしくやってますよ、お客様。自律神経が乱れてるようですね」
ワザとらしい敬語でニマッと笑うむつは、ちょっと意地悪に足ツボを押してくる。
マキ「イタタッ、もっと優しくしてよぉ〜」
涙目で訴えても、僕の反応が面白いらしくて苛めてくるし。
修二!早く帰ってきてよぉ〜!
むつ「優しくしてやってるだろ?じゃあこっちは?」
マキ「やっ!それも痛いぃ〜」
むつ「胃腸が弱ってる。だからそんなやつれるんだよ」
むつは、ワザと僕の痛いところばかり揉んできて、グリグリしてくる。
マキ「あっ!そこも…無理無理、う〜〜痛ぁ〜い」
むつ「しょうがないなぁ…、ならこっちは?」
マキ「ッ…ッ…ん〜、そこは…平気」
むつ「じゃ、こっち」
マキ「そこは気持ちいい…」
むつ「じゃ、次」
マキ「あっ!痛ッ、痛いよぉ〜むつ君のバカぁぁ」
むつ「ハハッ痛がりすぎ、分かった、優しくな」
なんだか楽しそうなむつは、やたら足裏を念入りに揉んでた。
すると、いつの間にか、華南が帰ってきてた。
華南「……マッサージか、脅かすなよ」
華南は、リビングでテーブルに片手をついて、反対の手で顔を押さえながら悶絶してた。
むつ「華南、何やってんだ?」
華南「いや、ちょっと…」
そう言葉を濁した華南は、鼻を押さえながら洗面所の方へ消えていった。
どうやら、僕とむつの声を聞いて、何やらいかがわしい妄想をしていたみたい。
むつ「なんだあいつ」
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