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request〜雪哉〜前編
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☆リクエストストーリー
このキャラとこのキャラが2人っきりになったら…
第二弾です。
以前は、北斗とつよしでやりました。
今回は雪哉さんです。
その後のマキ様との前の話なのでここで挟みます。
☆雪哉(ゆきや)
・177㎝
・ふんわり茶髪。
・27歳・パティシエ
・甘い匂いのする癒し系お兄さん、料理上手で手先が器用。百目鬼との付き合いは長く、セフレ。マゾ。マキ様崇拝者。
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神が、菫ママの店のみんなのいる前で、マキ様に公開同棲宣言をした。
やっとだよ。
やっと過ぎて、マキ様が信じられないと悲しそうな顔した時はどうなるかと思ったけど、神は腹を括ってちゃんと気持ちを伝えれた。
マキ様は、神の腕の中で、花が綻んで咲いたみたいに微笑み、本当に綺麗で、幸せそうだった。
感動して、俺まで泣きそうになった。
店中のみんなは祝福してドンチャン騒ぎ。黄色い悲鳴で次は自分の番にならないかしらとお姉様方。マキ様の友達のむつって子は吠えてたけど、結局は修二君と華南って恋人と三人でイチャイチャしてるし、修二君のイケメンお兄さんはなんだかちょっと不機嫌、その鋭い眼差しは俺的には好みでドキドキしたけど、きっとあの人は優しいんだろうなぁと、見ていて思った。
ナンパな賢史はあっちこっち絡んじゃぁ怒られてたけど、あの人もあの人なりに場を和ませてる。
賢史「神の奴いいなぁ、マキ様ずっと抱っこしちゃって。つよし君、お兄さんの膝空いてるよ」
つよし「え、えええ遠慮します!」
和ませてる…。と思う…、思いたい。
賢史「チェーッ、振られちゃったぜ。なぁ雪哉くーん!振られた者同士慰め合おうぜ」
雪哉「…同士にしないでよ」
賢史「そうかぁ?」
ニヤリと見透かすような賢史の視線が、気にしてないはずの胸を疼かせる。
〝同士〟じゃない、俺はそもそもそういうんじゃない。なんかこう親のような心境。
人の見ないようにしてるものを突っついたくせに、ナンパ男は次の獲物を探しに行く。
本当自分勝手、だから恋人できないんだよ!
そんな風に思いながら、賢史の身勝手な態度は、どちらかというと俺好み。彼は敵とみなした人間はクズゴミのように冷酷に処分する。その徹底ぶりには、ゾクゾクするけど、ナンパ男はちょっとな…。
胸のオ奥がモヤモヤして、目の前のワイングラスを一気に飲み干した。
「ぷはっ…」アルコールが大量に胃袋に流し込まれ、一瞬の目眩。今日もいい気分で酔えそうにない。
烏磨「雪哉さん、一気飲みは邪道だよ」
冷ややかな品のある声がチクリと刺す。
カウンターに座って俺のケーキを優雅に口にしながら意地悪に笑うこの人は、神の知り合いの弁護士で、烏磨さん。
〝ずる賢そう〟って言葉がぴったりの、鋭い目をしたスタイリッシュなインテリ風のこの人は、俺と知り合って間もない。
烏磨「こんな雑音の中で流し込んで、明日の仕事に差し支えますよ。プロ意識に欠ける行動は慎みなさい」
雪哉「…これくらいで酔うほど弱くないし、二日酔いになる程飲んだのは〝あの日〟だけです。そんなこと言うなら、俺の分のケーキ返して下さい」
烏磨が食べてるのは、俺の分のケーキ。取り返す気は無いけど皿に手を伸ばす。烏磨はお皿をスッと自分の方に引いて取られないようにしながら、俺を見て口角を上げる。
烏磨「フッ、〝今晩も〟付き合ってあげますから」
うっ…。
ずる賢そうで意地悪な瞳に見つめられて、ドキッとした。
ドMでご無沙汰な俺の脳みそは、ゾクゾクとして妄想してしまう。
この鋭い目に睨まれながら、犬のように繋がれ言葉攻めで虐められる姿を。
俺好みのドSそうな含笑い。
烏磨さんみたいにスリムより、神みたいなガッチリ系の方が好みなんだけど。
あのずる賢そうで意地悪な目は、凄くゾクゾクする。
初めて会った時、この意地悪な笑顔にやられた。
烏磨さんが、本当にドSだったら良かったのに…
烏磨さんと初めて出会ったのは…
今から少し前。
神が、マキ様と別れて廃人化してるのを面倒みてってた俺は、いつものように神の部屋を訪れた日の事だ。
その日はもう大変で、神の家について、俺は心臓飛び出すんじゃないかくらい驚いた。だって、家にいたのは神じゃなくて、タオルケット羽織っただけの妖艶なマキ様だったんだもん!!
俺は、いつものように神の家のチャイムを鳴らし、いつものように合鍵で部屋に入る。
神はマキ様を振ったくせに、マキ様恋しさに部屋が荒れたい放題だった。こんなになるのかと思うほどの落ち込みよう。
自業自得だよ、マキ様悲しませるからだ!
数日前に本音を聞こうとワザと酔わせたら、部屋が汚いのは、何もない部屋はマキ様を思い出すからだとか。もう、本当になんで別れたか分からない。
酔った神は、マキ様を忘れたいと俺を押し倒し、酔わせた責任もあるから慰めてやろうとしたら、今までの荒振るSEXは何処へやら、「マキ…」ってマキ様の名前を何度も呼びながら後半は俺をマキ様だと錯覚起こして甘々SEX。
乱暴じゃ無い俺はイけないのに!ガッカリしたのと、それほど好きな相手に巡り会えたんだとキューンとした。
そんな事を思い出しながらその日、玄関を開け、家主の返事なしに入る。どうせリビングで呑んだくれてるだろう神に向かって愚痴をこぼしながら靴を脱いだ。
雪哉「神!いるんだろ!お酒もほどほどにしろよ、そんなになるなら会いに行けよ、もう俺は慰めてやんないからな!!」
そう言いながらリビングに繋がる扉を開けると、俺の目に飛び込んできたのは、信じられないヤバイ光景。
雪哉「ギャッ!!マ、マ、ママママキ様!」
マキ「えへ♪雪哉さんこんばんは♪」
マママママキ様が居る!!しかもソファーの上でタオルケットに包まって、その肌は高揚して赤らんで、頬は桜色、首筋に花びらのような桃色の痕がいくつもあり。いかにもなエロエロの色気が漂ってますよ!!!
ぎゃぁああああー!よく見たら、なんかソファーからマキ様に向かって紐が伸びてるよ!!まさか縛ってる?!!
脳内パニック起こしてる俺の前で、隠しきれないお色気ムンムンにお美しく綺麗過ぎて艶っぽいマキ様が、俺の手元をジッと見てた。
ハッ!!神の家の合鍵!!しかも俺ってば玄関でどえらい事口にしながら入ってきちゃった!!!
マキ様は、顔には出さなかった。でも、やっとした仲直りをこんな事で台無しにして欲しくない!
あーのぉー不器用ポンコツ野郎!!なんでマキ様と仲直りしたって連絡しねぇー!
俺は慌てて全部正直に話した。
マキ様相手にどこまでフォローできるかわからないけど、兎に角全部話せる事は話した。
これがマキ様の不安の種になったりしたら、俺はこの先どうやって生きていけばいいのかと思うほど必死に洗いざらい喋った。
マキ様は「大丈夫♪気にしてないよ♪」と天使の如く微笑まれるだけで、何も言わず飲み込もうとしてる。ダメダメ!あの不器用なポンコツが恥も外聞も捨ててマキ様に正直になるべきだ。
買い物から帰ってきた神に合鍵返して、神に説教したら、神は、「お前にも説明する」とか俺を引き止めるトンチンカンぶり!!逆の立場を考えろと叱りつけ、俺は神の家を飛び出した。
2人がこれで揉めたらと恐怖にかられ、逃げるように走り去る。息が切れて心臓はバックバク…、立ち止まって荒い呼吸を整えて見上げた空は、凄く綺麗な月夜だった。
スッと熱が空に昇って行くようで
俺の心は、ちょっと切なくなった…
足は、自然と、菫ママの店に向かった。
雪哉「菫ママぁー、お代わりぃー」
菫「雪哉ちゃん、飲み過ぎよぉー。明日も仕事でしょ?」
雪哉「ヘーキヘーキ。今日はとことん飲みたい気分なの。ケーキ差し入れたんだから、その分飲ませてよぉ〜」
菫「もう、仕方ないわねぇ…」
雪哉「そのケーキ美味しいよぉ〜、今度の新作として出そうと思ってるやつだよー」
酔いが回り、呂律が怪しくなりながらカウンターで管を巻く俺に、菫ママは困った子ねぇ、と優しく新しいお酒を用意してくれた。
その時、酔っ払いの俺に、冷たい声が降ってきた。
烏磨「そのケーキが美味しいとはとても思えませんねぇ…、そんなにダラシない飲み方で明日は二日酔いでしょう。プロ失格ですね」
雪哉「ッ!?」
その冷たい言葉と、蔑むような眼差しを向ける男が、初対面の烏磨さんだった。
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