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もう離れられなくて#45
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奏楽さんに招かれて、まだ冷たいベッドに恐る恐る手をつく。
ギシっと軋むスプリングの音に思わず心臓が跳ねた。
いや、多分身体も跳ねている。
右足を乗せて、その次に左足を宙に浮かせて。
奏楽さんの匂いが強くなる。
奏楽さんとの距離が近くなる。
抱きしめられた保健室のベッド、キスされた車の中。
そのどちらともが僕の心臓を乱しはしたけれど、
これまでと違うのは
僕が、自ら、自分の意志で
奏楽さんとの距離を縮めているということで。
触れそうになる距離、
聞こえる奏楽さんの息遣い。
周りの音なんて何も聞こえない。
奏楽さんの呼吸、
擦れるシーツの乾いた音、
そして、早まる鼓動。
「美晴。もっとこっちにこいよ。」
僕の背中に奏楽さんの腕が回されて、
もう片方の手が何とか体重を支えていた手を取り、バランスを崩す。
途端に近くなった僕と奏楽さんの顔。
視界すべてを支配されてしまって、
逃げることもできなくなった。
汗で奏楽さんに握られた手が滑ります。
熱くて奏楽さんの体温がわかりません。
背中に回るその腕に、僕のドクンドクンって、
ものすごい速さで動く子の心臓の音が伝わってしまいますか?
奏楽さんに、僕がこんなに緊張しているんだって、
伝わってしまいますか?
「なんでそんなに震えてるんだ。」
「…ぅ、え…そ、の……。」
まるで身体が異常信号を出したかのように手足は震えて
身体は熱いのに出てくる汗は冷たくて、
何にも頭が働かなくてパニックで、
確かにわかるのは奏楽さんの存在がそこにあって、
僕と今触れ合っているってことくらい。
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