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魔王、魔界に君臨するにしおりをはさみました!
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魔王、魔界に君臨する
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-その勇者は脅威だった。いや、別に強いとかそういうわけではなく。ただ魔王も引くほど驚異のゲスさだったのだ-
<***>
一介の悪魔から始まって、気が付けば云百年。
こうして『いかにも』な魔城で血のようなワインを-というか血の入ったワイングラスを-傾けるほどに出世した。
というか魔王になった。
なってしまえばあっけないもので、基本的にはこの城のバルコニー(というと一気に庶民感が出てきたが)で下に広がる広大な『死の森』を眺めながら、ワイン(という名の血)を飲んで過ごしている。
さながらニートである。
魔王なんてそんなものである。
治めるべき世が魔界の魔族なのだから、まあ致し方ないというか。
誤解されがちかもしれないが、基本的に魔族は上下関係が厳しい。
自分より強い存在には絶対服従なのだ。
そりゃ魔王には絶対服従どころの騒ぎではないだろう。
とてつもない独裁体制だ。
しかしながら、こうまで従順だと可愛いものである。
俺だって元々は弱小の魔族山羊の一族から出てきた身だし、そんな俺に憧れる魔物たちやいつも身の回りの世話をしてくれる部下たちが可愛くないはずがない。
だからそんな部下たちが襲撃されているとあれば、俺だって動かないわけないのだけれど。
そんな俺が、何度目だかになる襲撃の報せを聞いて赴いた時、そこにいた存在に酷く動揺した。
そこにいたのは勇者だったのだ。
いや、勇者に驚いたわけではない。
その勇者が驚異的なまでにゲスだったからだ。
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