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一章
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冷たくて鋭い風が、衣類を通して肌と心を攻撃する。
光を浴びてキラキラと輝く金色の髪が、風に靡いた。
「ずっと好きでした。付き合ってください」
人生初の告白。
されたのは俺で、したのは相手。
俺の周りにいるのは美のつく人間ばかりで、いつだって皆から見た俺は霞んでいた。
多分、今まで誰かの恋愛対象にすらなった事はなかったと思う。
「好きって、その」
「恋愛対象としての好き、です」
「……だよね」
だからこそ、この告白は本当に特別で。
神様が俺に与えた、一生に一度の恋のチャンスかもしれなくて。
普通だったら、俺は喜んで飛びついて、直ぐにお付き合いが始まったんだろうけど。
「あの、さ」
「はい」
緊張しているのか、目の前にある表情が硬い。
多分、それは俺も同じなんだろうけど。
変な空気を壊したくて笑みを作ろうとしたけど、口端が片方しか上がらなかった。
「俺、男なんだけど」
「知ってます」
「君も男だよね」
そう。普段なら絶対首を縦に振る告白に、渋っている最大の問題はソコにあるんだ。
どこからどう見ても、丸さを感じない身体が男物の制服に包まれている。
緊張で強張っている顔にすら、隠しきれない男臭さが満ち溢れていて。
「はい、男です!」
背筋をシャンと伸ばして答えた男を見ていたら、今度こそ本気で頭を抱えたくなった。
瞳に涙すら滲んだ気がするのは、絶対に俺の気のせいじゃない。
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