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91.家族に病人がいるということ2
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「おはようございます!」
音楽堂の事務室に入ると、三浦のほかに、星野が珍しくコーヒーを飲んでいた。
「星野さん!?早くないですか?」
慌てていたせいで、声がひっくり返っている。
星野は渋い顔をして蒼を見た。
「悪りぃかよ」
「そんなんじゃないですけど」
「おれだって仕事に切羽詰ったりするときがあるんだ」
切羽詰まるって。
いつも余裕で飄々と仕事をこなしているのに。
彼にもそういうところがあるのか。
「手伝いますか」
「そうだな。じゃあ、これデータに起こしておいて」
星野がそう言って手渡したのは大量の書類だった。
「ええ!?」
「うそだよ。うそ。お前に頼むような仕事はねーよ」
星野は苦笑してマグを机に置いた。
「どれ。ちゃちゃっとやっちゃいますか」
彼のちゃちゃっとは蒼にとったらぎっちりの意味だ。
お湯を用意していた三浦と蒼は顔を見合わせて苦笑した。
「おれたちも準備しちゃおう」
「自分の仕事に取り掛かりまっす!」
星野が仕事モードだと自分も頑張ろうと言う気になる。
二人もせっせと仕事に取り掛かった。
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