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イケメンの悩みにしおりをはさみました!
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イケメンの悩み
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俺の実家である話になった。
受験の時にどこに泊まったかという話だ。
俺は受験の時は旅行会社の宿泊パックを使った。
当時俺が初東京で行ったことなかったけん母ちゃんが心配して準備をした。
安全でちゃーんと試験に臨めるようにと準備してくれたやつだ。
試験日の近い三校に狙いを絞って受験したが結構な値段が飛んだ。
松永は自分で安いホテルを探したらしい。
これ言っちゃうと分かるやつは分かるかもやけど受ける大学とか使う交通機関考えて池袋で安いホテルを探したらしいんやけど刺激が強すぎる地域で松永は夜出歩けなかったらしい。
松永は福岡の大学は受けんで東京で5校受けたんやけどその5校のアクセス考えて池袋にしたらしいんよね。日程も長いしお金かかるけん安い宿で池袋で探したらしいんよ。
「池袋だったけどデンジャラスだった」
「へ?」
「飲み屋さんとかラブホとか女性とか男性とかあちこちの角にいて怖かった」
「あー。なるほど」
そういう地域のど真ん中にあるホテルだったらしいんよね。
で、夜コンビニ行くのも怖いから試験終わったら明るい内にコンビニで食料と水を買い込んでホテルの部屋から一歩も出ずに過ごしてたらしいんやけどコンビニ弁当に飽きてホテルのルームサービス頼んだらしいんよ。
「そしたらね日本語が上手じゃないチャイナ服のお姉さんが坦々麺持って来た」
「どいうこと?」
「う.うーんよく分からない......千円渡したらお釣りが分からないって片事の日本語で言ってた。ルームサービスってホテル出る時に清算かと思ってた」
「いやいやいやいや驚くところそこかよ。なんでそんなねーちゃんがルームサービス持って来んの」
どんなホテル泊まってたんだよ。
そしてある時は知らない女が部屋のドアの前に立っていたらしい。
「部屋のドアノックする人がいるからねホテルの人かな?って思ってドアスコープから覗いたのね。そしたら派手な女性が立ってて。ホテルの人じゃないからどうしようか迷って困ったんだけどドアコンコンするしどこかに電話してるしで怖かった」
「その後どうなったん?」
「女の人携帯で話してたけど話しながらどこかに行った」
それお店のおねーちゃんをどっかのオヤジがホテルの部屋に呼んでおねーちゃんが部屋間違えたんやないん?そういう仕事のねーちゃんじゃないん?
松永大丈夫か。
出張で家にいない時そういうことに遭遇してても気付いてないこともあるんやないかなぁ。
これはゲイ関連でも言えるんよね。
松永はきっと相手が松永に好意を持ってても気付けん。
俺の好意三年間無視しっぱなし、俺の名前も存在すらも全く気にとめてなかったけんね。
普通あれだけ近くで見てたら気付くだろう。
俺2年の終わり頃には毎日同じ電車に乗ろうと決めててずっと同じ始発の電車で同じ車両にいたんぞ。
気付けよ。
お前それすら気付いてなかったんぞ。
あの頃かそれ以上前から周囲に興味が持てんかったのかもしれん。
松永は初対面の人間に対してなんの質問もしない。
普通なら仕事は?とかどこに住んでんの?とかコミュニケーション取るやろ?
ここ数年は俺に何度も言われて気をつけてるみたいやけど基本的な質問みたいなのは自分からするようにはなった。
コミュニケーションしようって努力は感じる。
仕方なしというのを感じるけどね。
聞かれたらちゃんと答えるんやけどね。
何度も文章に出たりしとるけど松永は人の顔を見ない。
話をしている時は見るんやけど街を歩いている時とかね全然街行く人のこと見らんのよ。
一人で歩いている時はiphoneのイヤホン耳に付けてスタスタ通り過ぎる人の顔見ないで遠くの建物見ながら歩いてるっぽい。
モリクミとか鎌やんとか吉野とかが一緒にいる時はリラックス出来るみたいでそこまで完全な拒絶を周囲にせんのやけど。
「僕知らない人の目と目が合うのがこわいって言うかうーん.....なんか恥ずかしい」
だそうだ。
こんな調子だからもしかしたらゲイからアプローチされてても気付いてなかったりもよくあるんやないかなーとか思う。
俺もあるよ?腐る位に。
でもさ、女と違ってゲイはあしらうの楽なんよね。
ノンケアピールしてるからばれてはいないんよね。
これは自信ある。全然ばれねー。
ゲイはさゲイって見分けがつくとは言われてるんやけど確かにそういうの多い。
目で分かるんよね。
相手は俺がノンケっち思ってても俺は分かるんよね。
ゲイって相手がノンケだと思いきった行動を女みたいにして来ることはないけん楽。
女だとふつーに告白したり酔った勢いで腕からめて来たり「帰りたくなーい」とか大胆にアプローチして来るんよね。後処理も大変。誘ったのに相手にされんかったことを根に持つ人もおるけんね。どーやってそれかわして後腐れないようにふつーに今後も付き合って行けるように.....後処理するんやけどめんどくせぇ......と毎回思う。
ゲイの場合はそんなあからさまな行動して来んし遊びの誘いとか飲み行こうとかそういう遠まわしが多い。
俺に興味持ちだしとるって言うのは気付くんやけどあえて知らんふりしてたら諦めるって感じやね。
残念ながら俺はゲイなんだなーと思いつつ知らんふりしてノンケぶるんやけどこの演技力はまだ見破られてないっぽい。
東京はほんとゲイ多いけんね。
びっくりする位多い。
げんなりする位にたくさんいる。
そういう俺もゲイだけどね。
松永も俺と同じような場面たくさんあると思うんやけどなー。
外見的には松永はゲイからもてるかと言われたら髭短髪マッチョってわけじゃないカワカッコイイ系やからノンケの男や女の方が危ないんやなかろうかと思ったりする。
最近ショタ系とかに目覚めるノンケもいたりする言うし。
ショタって年齢ではないけどその片鱗のある松永はノンケの方が男も女もやばいんじゃないかと思う。
モリクミとか見てるとな。
「松永ー。お前もーちょっと周囲に気付こうねー高校ん時から成長してないなー」
「成長してるやん!!」
「俺が同じ車両で毎朝一緒に登校してたの気づいてなかったやん」
「それはまだ高校ん時だから......」
「お前スーパーから帰って来る時ちょうどエレベーターで俺と鉢合わせになったのに下向いてこんばんは俺に言うてたやん」
「声かけてよ!!」
「お前横に並んだのに気付けよ!!ってか見ろよ!!」
「声かけてくれたら顔見るよ!!」
普段こいつは隣に包丁持った人間いても気付かんでこんばんは言うんやろうな。
危な過ぎる(←俺が心配し過ぎなんかもやけど)
松永の尻撫でようとする痴漢がウヘウヘ言っててもこいつは「こんばんは」って言うに違いない。そしていつもの「変なところでポジティブ」発動して「ああカバンがあたってるんだ」で処理してしまうかもしれん。そんなこと考えると狂いそうだ。
こいつ大丈夫かぁああああ!!
「お前出勤の電車で毎朝痴漢とか会ってないっ!?」
「は?」
「朝は電車に乗りよろーもん!!」
「朝は忙しいから乗るしかないけどなんで痴漢?僕男だよ?」
「男が男に痴漢もするんだよーっ!!お前ゲイが痴漢しないとでも思うてるーんっ!?」
「僕しないよ」
「お前がしなくても他のやつはするんだよーっ!!」
「長野そんなことしてるん!?」
松永がドンビキしていた。
「違ぇーよ!!そうじゃなくて!!そういうやつもたくさんいるのーっ!!手にわざと触れられたりとかしてないーんっ!?」
「バカじゃないの?そんなん気にせん。朝混んでたりするから手がぶつかることもよくあるやん!!」
よくあるっ!?
おいぃいいいいい!?
「おいおいおいおい。お前しっかりしてよ。手がそんなぶつかるかってーの。あそこは!?あそこに手があたったりとか!!」
「今はないよ!!いつもカバン前に構えて窓際に避難してるから!!密着されるのが嫌だから窓際いつも確保してるしっ!!」
今はってなんだ今はって!?
聞けば聞く程松永そういうことあったから窓際に逃げてるように聞こえるのは俺だけ?
俺の被害妄想ですか?
こいつが「変にポジティブ」発動してまた都合よく解釈してたりする?
「おいお前今度モリクミと電車乗れ」
「は?なんで?」
「いいから!!モリクミには俺から話しとくからっ!!」
でー。
モリクミに連絡を取って盆休み終了後の出勤日。
モリクミが朝早くからやって来た。
「あーん♪寂しかったーん!!アイニーデュー!!アイウォンチューっ!!」
「朝からテンション高いですね.........おはようございます」
松永とモリクミを送り出す。
「あーんっ!!こうしてると私たち夫婦で出勤してるみたーい♪これが妻というものっ!!」
「モリクミ先輩お願いだから静かにして下さい......」
あいつら大丈夫だろうか......。
モリクミには電話でこう言った。
「松永毎朝出勤ん時さー痴漢とか会ってないかとかさーたまに心配やん。松永強く言えんし恥ずかしがり屋し外見あんなんやけんいい標的になったりするんやないーん?」
「やーんっ!!長野くーんそれはあたしもしんぱーい!!私なら分かる!!松永くーんを見る目で私なら分かるっ!!松永くーんをそんな目で見る人間は分かりますっ!!」
「そうかお前の変態センサーは精密やけんな。モリクミ頼んだぞ。俺の為にも松永の為にもお前頑張ってくれ」
「了解でーすっ!!」
ただ面白半分本気半分で会話した内容をモリクミは本気で実行した。
ほんとに松永と通勤ラッシュに乗りおった。
お前が一緒に行けよ!!と突っ込みを入れられそうだが残念なことに俺の会社の方に行く電車じゃないんだなこれが。モリクミ丸の内方面やけんちょうどよかった。
夜モリクミが俺と松永の俺たちの家に集まる。
「で。どうだったよモリクミ」
「マジ混雑。マジ死にそうだった」
「もー。モリクミ先輩がうるさかった」
「どいうこと?」
「モリクミ先輩が僕にやーんやらあーんやらいろいろ言って来るから恥ずかしかった」
「やだーんっ!!周囲に知らしめたんですーっ!!松永くーんにはあたしというステディな人間がいるんですーっ!!ていうのをーっ!!」
「で変態モリクミ。どうよ?どんな感じだったよ」
「そうねー。松永くーんと同じ車両のメンバーにチラホラ邪な視線を感じたけどーあたしの松永くーんとのラブラブ度合いで蹴散らせたと思いますーっ。女子高生のお友達お3人組様―。気の強そうな女お1人様ー。あと若い雰囲気イケメンお1人様ーイケメンスーツお1人様ーゲーハーオヤジ1人様ー」
「なんだそれは?」
「松永くーんをウェットな目で見てた変態たちでーす。だいじょぶでーすガン睨みしときましたー」
「おぃいいいいいい!?モリクミほんとかっ!?」
「あれは松永くーんにイカレた目でしたーっ!!安心してーっ!!」
「それモリクミ先輩がそばにいて騒ぐから見られてただけで勘違いし過ぎですよ。恥ずかしい」
「やだーんっ!!松永くーんっ!!松永くーんが鈍すぎてカワイイっ!!養殖じゃない天然よ天然ウナギなのよ松永君はっ!!天然ウナギなのー」
「なんですかそれ?」
「よくわっかんなーいっ!!」
話がどんどんカオスになるな。
取りあえずモリクミが蹴散らしたというから相当プレッシャーを周囲に与えられたんだろう。
俺も分かるんよ。
電車でアイコンタクトして来るゲイもノンケの女もおるけんね。
俺自身が経験してるから心配になる。
毎朝同じ車両に乗って来たりとか近くに来ようとするとかさ。
そういうのがあるからね。心配になるんよね。
そんなこと言ったら松永に呆れられるけど今まで感じて来たこと言えてよかった。
モリクミの手は借りたけどモヤモヤしてたのが晴れた。
まぁ松永が鈍感で気付かん方が安心っちゃ安心なんだろうか。
俺の被害妄想でそこまでモテナイし見られてないって言うけどお前人の顔見てないのになんでそう言い切れんの!?
「長野なら分かるけどね」
は?
「長野みたいなんはモテルからそういうのたくさんありそうで心配」
ああ。
こいつのイケメンの基準って俺みたいなやつとまだ思ってるんか。
松永自身の外見はイケメンじゃないとかたくなに思ってる。
俺みたいなスポーツしてそうな男が松永にとってのイケメンなんだろう。
「お前もイケメンなんよ?」
「なわけないやんwwww」
松永が笑い飛ばす。
駄目だ。イケメンの基準が凝り固まってる。
俺とは正反対の外見の松永は無自覚なんだろう。
あいたたたたた.........
ここ何年も言いよるのにまだこいつは治らんのか。
「やけんね松永ー。イケメンっていろーんな種類のイケメンおるけんね?松永も俺とは違う種類のイケメンなんよねー?これ分かるかなー?まだ分からないかー?んー?」
「そのバカにしたような言い方やめろ。ムカツク」
お前が自覚しようとしねーからだろうがぁああああ!!俺の方がむかつくわっ!!
テレビも見ない。
音楽も最近になって聞きだした。
本しか読んでなかった。
いつも一人だった。
だから小さい時知り得たことも知らずに自分の価値観だけで生きて来たからなんかな。
俺たちとたまに違う。
イケメンはこうあるべきって言うのが松永の中にあるっぽい。
まず体は鍛えられた肉体じゃないといけないとかこいつの中でありそうだな。
「じゃモリクミお疲れ。帰れ」
「やーんっ!?」
モリクミをとっとと帰らせて松永とソファでゴロゴロする。
「長野ー気にし過ぎやないん?今朝ほんとに死ぬほど恥ずかしかった」
「なん?モリクミそんなに暴れたん?」
「暴れ過ぎだよ。もー時間ずらして明日から乗ろうかな恥ずかしい」
ラタンもソファに乗って来て松永の胸の上に乗って松永に甘えていた。
「ラタン位だよねー僕とラブなのはねーラタンー。僕のこと好きー?」
「おぃいいい!?俺もやろ?うん、僕ダイスキスキー」
「ラタンの声真似?するのやめて。ムカツクから。そんな声じゃないし」
ラタンと松永がニャンニャンしてるのが妬ましい。
「俺も混ぜろーっ!!」
「フギャーッ!!」
「ちょ!?」
苦しそうに松永とラタンがうめく。
ソファの上で松永とラタンをはがいじめしてじゃれていたら
その内ラタンからパンチを顔に食らい松永からは頭をど突かれた。
不条理過ぎんだろ......
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