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18歳以上ですか?
6にしおりをはさみました!
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6
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「あー、笑った。上級生なら会える確率少ないかもなぁ。」
ひとしきり笑った奈茅は僕の頬をツンツンとつつく。
「多分そうなのかも。お礼も言い忘れたし名前も聞くの忘れちゃったから…」
おっちょこちょいだね、と今度は僕の頬を甘くつねる。
奈茅は海外育ちだからかスキンシップが多いけど、手が暖かいから僕は嫌ではない。ほかの人は嫌だけど……。
「その人ね、僕の表情見て思っていることを1回で見抜いてくれたんだ。」
「へぇ、それは珍しいね?」
そう…。これは珍しいこと。
僕はよく表情が変わらないから思っていることが分からない、と言われる。だから見抜かれたときはびっくりしたけどすごく嬉しかった
「そうなの、しかもちゃんと僕と目を合わせてくれたんだよ。」
「良かったね。会えた時にちゃんとお礼しなきゃだな!」
よしよしと頭を撫でてくる奈茅は何だか嬉しそうに見えた。僕も嬉しくなって顔を見合わせて笑う。
そうこうしていると式の時間になり、また緊張してきたけど奈茅がいるから僕は大丈夫だ。
それと…
吸い込まれるような、この人に何もかも全てを捧げてしまいそうな目で見つめられて、抱き締められたときを思い出し、収まっていた身体の熱が僕を守ってくれているような感覚になった。
こんなこと奈茅には言えないけど……。
髪を触られても、抱き締められても全然嫌な気分にならなかった。
僕はまたして欲しい、とさえ思っていた
そんな気持ちで式の会場に向かう。
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