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惟葉sideにしおりをはさみました!
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惟葉side
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中学の時は、私だって他の子たちと変わらなかった。
親の都合で何回も転校してたから、とにかく明るく演じてたけどね。
メイクもしてなかったし、ギャルのようなところなど全くなかった。可愛かったけどね。
ただ、何でもはっきり言う性格で少し目立つだけだった。
良いところもはっきり言うけど、悪口も言ってしまうのが私だった。そんなんだから、小学校ではよく思われなかった。
でもみんな、それが私のいいところだと言ってくれた。
そんなある日、一つ上の先輩に告白された。
その先輩は私たちの学年でイケメンと言われていた人で、好きだった子も何人かいたらしい。
なんでも、外側も内側もイケメンらしい。知らないけど。
断ろうと思ってたけど、先輩が本当にいい人なんだと知って、なんとなく付き合い始めた。
日が経つうちに、どんどん先輩を好きになる私がいた。
仲のいい友達もみんな祝福してくれて、本当に嬉しかった。
この学校でよかったって心底思った。
いつの間にか悪口は言わなくなっていた。
みんな、本当に優しかったから。
でも、違った。
ある日、仲の良かった友達の一人が言った。
『一華、私のこと可愛い子をひがんでるって言ったってホント?』
そんなこと言った覚えはなかった。
確かにその子はよくひがんでたけど、その後反省して努力するような子だった。ひがんでるって言ったって、「羨ましい〜!」とか言ってるだけだったし。
「言ってない」って言ったらすぐに信じてくれたけど、その後も同じようなことが何回か続いた。
その内容は、『見た目もブスで中身もブスな最低女』とか『知り合った男の人の中でヤってない人は一人もいないビッチ』とか、本当に最低なことばっかりだった。
本当にどの悪口も、心当たりがなかった。
先輩には、心配をかけたくない一心で黙ってた。
悪口はどんどん酷くなっていって、私は学年全員の子から嫌われた。
私の悪口も散々言われた。
仲の良かった友達も、離れていってしまった。
私はとうとう先輩に相談した。これ以上耐えられる自信がなかったから。
先輩は親身になって相談に乗ってくれた。『心配すんな、大丈夫。』って言ってくれた。
でも次の日、私は先輩に別れを告げられた。
『友達に聞いたらさ、お前本当に言ってるらしいじゃん。お前の悪口もすげぇし。せっかく可愛いから告ったのに、こんなんじゃ俺の株が落ちるだけだっつーの。別れよ。』
結局その程度だった。
外側も内側もイケメンなんて、やっぱり嘘だった。
本当に一人になった後、たまたま通り過ぎた教室で私は真実を知った。
『一華、いい感じに一人になったねーw』
『それな。アイツに先輩は合わねぇーしw』
『にしても、一華も他の子も全然気づかなかったよねーwww
悪口言ったの全部私たちだったのに。』
仲の良かった友達のみんなだった。
そのまま話を聞いてると、最初の悪口とかも全部自作自演だったらしい。
怒りとか、悲しみとか、寂しさとか、そんなものより先に、笑えて仕方がなかった。
だってそうでしょ?
信じた私が馬鹿だったんだよ。
そのあと、私は知ってる限りの真実と、本当にありえそうな嘘をバラまき続けた。
エンコーの話、クスリの話、醜い悪口。
もちろん、私だとバレないようにこっそりと。
偽物の絆で繋がってる彼女たちは、次々にバラバラになっていった。
面白すぎて、転校した先でも悪口を言い続けた。
私の一言でいじめが起きたりもして、たまらなかった。
ちょっと工夫すれば、可哀想な子にだってなれる。
次の学校ではどんな悪口を言おう?
そう思いながら転校したのが、この帝光中だった。
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